塾長ブログ

2022.02.22

オンライン授業で賛否両論ありますがやってみて感じることは

オンライン授業、賛否両論ありますがやってみて感じることは…。

葛西TKKアカデミーでは、生徒や家庭の要求に応じて柔軟に授業内容を変えられます。
授業内容に限らず、授業時間、授業料など一人ひとりに合わせられるのが葛西TKKアカデミーの強みとなっています。
そんな中、最近はオンライン授業の要望もあり行っているのですが、しばらくやってみて個人的に感じたことを今日はお話したいと思います。

オンライン授業はコロナ禍で学校が一斉休校になったときに注目され、災害や突然の緊急事態になったときでも学びを止めない切り札のように認識され、文科省も慌てて全生徒に端末やコンピューターがいきわたるようにしました。
しかし、小中学校ではデバイスは配布されたものの、それを有効に活用して授業を進めることはあまりできていません。
技術的問題や教員のスキルの問題などあるからです。

一方、葛西TKKアカデミーでもオンライン授業は行うことはできます。
授業をモニターを通じての一対一でやっています。
私自身まだICTなどに精通している訳ではないですが、普段の授業をインターネット回線を利用して、リモートでも行えるようにしています。
数か月やってみて感じたこと、考えたことを述べます。

やはり授業は対面が一番(個人的感想です)

率直なところ、いくら同じように教えてもモニターを介しての授業はなかなか満足のいくようにはできません。
葛西TKKアカデミーは生徒とのコミュニケーションを重視しているのですが、目の前に面して生でやっている授業と違い、モニター越しだとどうしても生徒の反応が分かりずらいし、生徒も直接やり取りするコミュニケーションと違い十分にこちらの伝えたいことが伝わっていない気がします。
人間のコミュニケーションは言語そのものよりも、相手の表情やしぐさなどの微妙な変化によるところが多いのですが、パソコンの画面の中の小さな枠の中では、そこまで細かい反応を捉えることは至難の業です。

一般的にきちんとやれる生徒であれば、モニター越しに説明をして、練習問題を通して実際に試して確認すればいいので、オンライン授業でもいいのでしょう。
言ったことはきちんと理解するし、指示された通り勉強もしてくれます。

しかし、勉強があまりできない生徒はそうはいきません。
質問に関してよく生徒が言うのは、次のようなことです。
「分からなくて質問したいけど、オンライン授業だと授業の妨げになるようでしずらい。そして、先生もこちらが分かっていないことに気づいてくれない。」
この心理は規模が大きくなればなるほど強くなるようです。
自分の個人的な質問が多くの人に迷惑になるからしない。
多くの人がオンライン授業をすると先生のパソコン上の生徒一人ひとりの画像は豆粒のように小さくなり、教える側も生徒の変化に気づきにくくなります。
これもオンライン授業が大規模(とは言っても10人以上でしょうか)クラスに向かないと言える理由です。

また、人数が多ければ多いほど、通信にかかる負荷も大きくなり、フリーズなどの危険性が高まります。
オンライン授業中にトラブルが起きたとき、機器に精通している先生なら即座に対処し、すぐに授業を再開できるでしょうが、そうでない場合は問題解決まで時間が掛かり授業の遅延、中断の原因になります。
こんなことばかり起きれば、授業を受けている生徒も白けてしまい、緊張感がなくなり学習効果も下がってしまいます。
このようなこともあり、多くの学校ではオンライン授業で通信における容量の負かを減らすために、授業中はモニターを切り音声を切るように指導しているところもあります。
だから、生徒たちはオンライン授業で何をしていてもバレないのです(もちろん小テストは良くないかもしれませんが、それがさぼったせいか、授業が難しかったせいかは分かりません)。
つまり、先生はモニター越しの生徒の状況を把握できないのです。
本来、双方向の授業ができるのがオンライン授業の良い所でもあるのに、これでは一方向の授業、講義になります。
インフラの脆弱さを考えるなら、まだ集団でのオンライン授業は時期尚早なのかもしれません。

オンライン授業をするなら少人数が今のところ良いと思われます。
大人数では目が行き届きにくく、特にサポートが必要な下位の生徒たちには向いていないと思います。
一般的に学校では講義形式の授業を配信し、生徒たちが理解できたかどうかの確認として、その後問題を解かせるというのがパターンになりつつあります。

葛西TKKアカデミーの生徒は塾の性質上でしょうが一癖二癖ある生徒ばかりです。
そんな生徒に上記のような授業をしても理解できないので不適です。
彼らには直接向かい合い、彼らの一挙手一投足までしっかりと見て、彼らが発信するかすかなサインを読み取らなければなりません。
決めの細かい授業とはそういうものです。
それがオンライン授業では非常に難しい。
やっていて感じたことです。
人と人の触れ合いの中に信頼を築き、共に勉強に取り組もうとする教育スタイルにはちょっと適さないかもしれませんね(少なくとも大人数では困難)。

日本のオンライン授業はまだ始まったばかりで、十分な設備も教授法も確立されていません。
発展途上の技術で、これから徐々にノウハウもできてくるのだと思います。
でも、遠隔地で授業ができるからという理由だけで、オンライン授業を至上の教育と考えるのは正しくありません。
少なくとも自分で運用してみてそう感じました。
その限界が超えられれば道も開けるのでしょうが。

コロナ禍で文科省も慌ててタブレット端末を一人一台全ての生徒に配布しました。
しかし、それは体裁を整えただけで、学校での実践に十分耐えうるものではないと思います。
また、インフラなどハードの面意外に忘れてはならないのは、それを実行する教員の訓練です。
これまでもそうですが、新しい技術が教育に導入されるとき、生徒たちのことをいろいろ議論することはあるのですが、サービスを提供する教員の方については、あまり語られていない気がします。
ここが教育の落とし穴で、今まであまり成功しなかった原因はそこにあると思います。

教育は極めて個人的なものです。
だからこそ、教員の質によって、生徒の勉強が、ひいては未来が大きく変わります。
ハードとソフトの両方の充実が望まれます。

もちろん葛西TKKアカデミーでは引き続き要望があればオンライン授業を行います。
一対一なので大クラスよりは上記の問題はないと思います。
しかし、自分でもまだまだ改善の余地は残されていると思います。

生徒も日々勉強ですが、私もそうです。
人生これ勉強ですね。

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