塾長ブログ

2025.01.03

テストの結果が出ない生徒はどこまで勉強しないといけないか分かっていないのかも

 英語などの検定試験や入試、それから定期テストに向けて、一所懸命を勉強している生徒も多いと思います。
葛西TKKアカデミーでも多くの生徒がテストに向けた勉強を頑張っています。

しかし、いくら勉強しても点数が上がらない生徒がいます。
原因はいろいろあると思いますが、もしかしたら自分がテストまでにどの程度できるようになっていないといけないのかを、正しく把握していないせいなのかもしれません。
私も試験対策等で生徒を指導していますが、中には「勉強の仕方が違うな」、「それでは勉強が不十分だな」と感じることもよくあります。

そこで今回は、テストの結果が出せない生徒の勉強について考えたいと思います。

「学習」から「習得」へ

一般に勉強においては二つの段階があると言われています。
第一の段階は「学習」です。
別の言い方をすると「知る・覚える」ということです。
まず、新しいことがあるのに気づき、それが何なのかを知らなくてはなりません。
自分で調べるにしても、教えてもらって学ぶにしても、新しい学習内容を理解する必要があります。
そして、そのことを記憶し自分の知識の一部にしなくてはなりません。

多くの生徒はこれまでが勉強と思い込んでいます。
しかし、本当は違うのです。
「学習」の次の段階である「習得」までやらないと、本当に試験や実生活で役に立つ勉強とは言えないのです。

「習得」は何かというと、学んだことを利用して試験問題を解いたり、活用して生活の中で発生した課題に対応できる段階です。
「学習」して知っていても、生徒たちがそれを使えるかというと、必すしもそうではありません。
実際に問題を解くとき、教わった手順に従って答えを見つけ出せるのか、または、これまで学んだことを全て活用し、組み合わせて解決の道が見いだせるのか。
そこまで勉強はやらないと、試験で結果の出せる勉強にはなりません。

ちょうど自転車に乗るのと同じです。
幼いころに自転車を乗る練習をしたことのある人は多いと思います。
最初、自転車の乗り方の説明を受けて理解しても、実際には乗れません。
理屈は分かっても、それを身に付け使いこなせるとは限らないのです。
「自転車の乗り方を知る」のが「学習」である、「その乗り方を身に付け実際に乗りこなせるようになる」のが「習得」です。

経験値を上げる→実際にやるしかない

ここで大きくものを言うのは「経験」です。
「学習」したことが本当に分かって、それを活用して問題を解けるかどうかは、実際にやってみないと分からないのです。

先ほどの自転車の例で言うならば、乗り方が分かっていても乗れるとは限りません。
実際に乗って、本当にできるかどうか確認しないといけません。
乗れなければ、乗れるようになるまで何度も練習が必要になります。

勉強も同じです。
「学習」で学んだこと(インプット)が、本当に問題を解くときに使えるか(アウトプット)、確認と練習が必要です。
多くの生徒はインプットばかり重視して、そこで終わってしまうのです。
「覚えれば使える」というのは大きな誤りなのですが、それを理解していないのです。
多くの場合、「分かったつもり」で実は「分かってはいない」ので、テストのときに結果につながらないのです。
よって、本当に「学習」を経て「習得」のレベルに達するように練習問題をたくさん解いて、「経験値」を増やしてください。

また、「学習」レベルでよく分からなかったことも、練習を通じて自ずから分かるようになることもあります。
問題を解いていくうちにだんだんとパターンが見えてきて、解法が自然と身に付くこともあります。
あるとき、いきなりひらめいたり気づいたりして一気に理解が進むこともあります。
このように経験を積みながら理解するということもあります。
「学習」を強化するためにも、問題をたくさん解いて経験を増やさなければなりません。

「できる」だけでなく「早く効率よくできる」しかも「正確に」

また、スポーツで練習を繰り返せば上達するように、勉強でも練習をすれば問題が効率よく早く解けるようになります。
経験値の低い生徒はこれができないため、時間が限られている試験やテストにおいて、時間内に解くことができないのです。
恐らく時間さえかければ生徒たちは解けるのかも知れません。
テスト勉強で悩み悩んでようやく問題が解けても、それはテストの本番では意味がありません。
時間制限があるのですから。
いつまでも考えることが許されていない状況もに、テンポよく時間をかけないで答えられるくらいにまでなっていないと、問題も解けず点数も上がりません。
だから、「知っている」だけではダメで、効率よく早く問題が解けるようになるには、繰り返し練習をしてうまくなる必要があるのです。
問題を見て瞬時に解法が浮かび、すぐに解けるようになるまで勉強しないと、テストや試験では役に立たないということです。

そして、注意すべきことは「早ければいい」という訳ではないということ。
よく「早さ」ばかり求めて、勉強がいい加減という生徒が見られます。
急いで早く終わらせたいばかりに、適当な勉強をするのです。
「計算で書かないで暗算をする」「なんとなくそれっぽいことを書く」などです。
ここで「自分の学習が不十分で、習得のレベルまで達していない」と理解して、もう一度一段階前から取り組めるといいですが、テストや試験で結果を出せない生徒たちはこれを怠る傾向があります。

また、いくら問題を解くのが早くても、解答が正しくなければ意味がありません。
まずは時間をかけてでも正確で丁寧に問題を解くことです。
スピードは練習すれば後からついてきます。
いくら早くても最初雑だったものを丁寧に正確にするのは至難の業です。
ここも練習を通して経験値を上げることが重要になります。

経験値が上がれば難問も解けるようになる

さらに、経験値が上がれば難問もより解けるようなります。
いきなり初見の問題に出会って、その答えをゼロから考えて見つけ出せと言っても、多くの生徒にとってそれは非常に難しいことです。
しかし、事前に多くの問題に当たり経験を積んでいれば、その蓄積の中に似たような問題があるかも知れません。
そんな経験があればそれが大きなヒントとなり、解法への糸口になるでしょう。

定期テストなどでは、恐らく「学習」「習得」レベルまでが期待されるでしょうが、入学試験や検定試験ではそれだけではなく、さらに上のレベルまで要求されます。
そんなときも経験が豊かであれば、問題が解ける可能性も高くなります。
だからこそ、このような試験において基礎の確認が終われば、経験値を増やすために「質より量」の勉強をお勧めします。

どうして練習をしないのか

このようにもっとアウトプットに重点を置いた勉強をして経験値を上げればいいのですが、成績の上がらない生徒たちはそれをしません。
どうしてでしょうか。

まず、「分かったつもり」だから「自分は出来ている」と思い込んで、練習をしないことが挙げられます。
「分かっている」と思いうから「する必要はない」と考え練習をやらないのです。
では、対処法は何でしょうか。
根本は本人の認識に関する誤解なので、自分ができていないことを自覚させることです。
実際に問題を解かせて、どれだけできていないかを示すのがいいでしょう。

ここで注意しないといけないことは、プライドの高い生徒は実は自分が分かっていないことを自覚しているのだけれども、それを明確に指摘されると自尊心が傷つけられるのを恐れ、そもそも問題を解こうとしないということです。
こういう場合は厄介ですが、自分の弱いところもさらけ出せるくらいの信頼関係を普段から築くことが大事です。
「聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥」という言葉が示すように、一時のプライドのためにその後の人生を大きく損なうことのないように諭す必要があります。

もう一つ、「面倒くさがりの心理」があります。
生徒たちはよく「面倒くさい」と口にします。
そして、「面倒くさい」と言えばやらなくて済むような考えがあるようです。
面倒くさいことをやらないのが合理主義のように思えますかもしれませんが、それは単なる怠慢です。
面倒くさくても、やらなくてはならないことはやらないといけません。
この点を誤解し、勉強しないでいい口実にしているようですが、全くの的外れです。
勉強は本来「面倒くさい」ものです。
その「面倒くさい」ものに直面し、試行錯誤、創意工夫し問題を解決するからこそ、脳や心の発達があるのです。
人間の脳は体と違い、何もしなくても成長するものではありません。
困難を乗り越える中でいろいろ考え、思考が深まり、育っていくものなのです。
「面倒くさい」と言ってその場しのぎの安易な判断で練習をせず経験を逃せば、それは翻って自分の不利益になることを十分に承知してほしいです。



テストや試験の点数が伸び悩んでいる生徒は、「どの程度まで勉強しないといけないのか」がよく分かっていない可能性があります。
確かに勉強はしていますが、十分ではないのです。
「一度覚えたから大丈夫」「一度解けたから大丈夫」と思ってそれ以上勉強しないので、テストや試験に対応できるまでの実力が付いていないことに気づいていないのです。

だからこそ、面倒くさがらず問題をたくさん解いて、真に理解しているか確認し、学習内容のより一層の定着を促し、さらに経験値を積むことで限られた時間内でもテンポよく解けるまで勉強しないといけません。
そうすれば、学んだ知識を正しく効率よく使いこなすことができ、テストや試験の点数もぐんぐん伸びることでしょう。

多くの生徒はインプットばかりに目がいって、アウトプットが疎かになりがちです。
しかし、結果の出る勉強にはアウトプットこそ重要だということに念を押したいと思います。

楽をして脳の発達はありません。
困難に直面して脳への刺激を増やすことで初めて可能です。
だから、苦しくても地道に頑張ってください。
そうすればきっと良い結果になって現れるはずです。

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