塾長ブログ

2024.06.07

色を使って勉強アップ!

 色は人間の心理に様々な影響を与えると言います。
例えば、カラーセラピーでは色を使って心を癒し、心身のバランスを整えたりします。
このような色が人間に与える効果をうまく利用すれば、勉強の効率を上げることも可能でしょう。

ということで、今回は色が心に与える影響を考え、それを勉強に活かしていこうというお話です。

リラックスしつつ集中力を高める青色

「勉強をするとき青いペンで書くと成績が上がる」という話を聞いたことがありますか。
様々な研究で青は勉強中のストレスを抑制する効果があるのではと示唆されています。
つまり、心身共にリラックスし安定した状態を保てるので、何かに集中したいときは効果があるようです。
だから、勉強部屋のカーテンや壁紙に青色を取り入れるといいかも知れません。
青のポスターを貼ったり、ノートや筆箱など身の回りの小物を青で揃えるのもいいでしょう。

短期集中で結果を出す黄色、でも注意点も…

実は、色の違ったブースの中で一定時間計算をさせるという実験があり、その時、黄色のブースでの解答者の正答率は90%で最も高かったそうです。
よく調べると、黄色のときが一番脳の活動が活発だったそうです。
勉強で行き詰まったときは、黄色を取り入れて脳を活性化させてみるのもいいでしょう。
パッとひらめいて、これまで分からなかったことが急に理解できるようになるかも知れません。
また、新しいアイデアがほしいときも黄色がいいそうです。
しかし、実験後の疲労感が最も強かったのも黄色だったそうです。
だから、黄色は脳を刺激し興奮させ短時間の集中には非常に大きな効果がある一方疲労感も大きいので、青色のように部屋全体を黄色にしてしまうのはやめた方がいいです。

リラックスするならベージュや緑などの自然の色

ベージュや緑色は緊張を和らげリラックスさせてくれるそうです。
大事なテスト前で極度に緊張しているようなときは、ベージュの物を置いて緊張をほぐしてください。
木や葉っぱの色であるベージュや緑は体を癒すので、勉強で疲れたときはお勧めです。
休憩するとき勉強部屋から出てリビングに緑やベージュを取り入れれば、勉強の疲労も効率よく回復するのではないでしょうか。
具体的には、身の回りの小物に緑の物を使ったり、部屋に観葉植物を置いたりするのがいいでしょう。
このように人に安定感や落ち着き、リラックスの作用を及ぼすベージュは、疲れを取って体を癒すには非常に効果がありますが、このことが脳の活動を低下させ休息モードに入ってしまうので、勉強中や仕事中は避けた方がいい。

危険な赤

赤は体内のアドレナリンの分泌を増やして、興奮作用をもたらします。
一般的に集中を妨げると言われています。
短期的にではありますが、テンションが上がり普段では出ないような力を発揮することもあります。
しかし、この効果は長続きせず、逆に疲労感を増す結果になることがあります。
どうしても短期間で結果を出したいときはいいかも知れませんが、あくまでも緊急事態用で頻繁に使うべき色ではありません。
じっくり考えなければならないときは、赤は避けるべきです。
赤は本能的に危険を知らせ野性的な対応を優先してしまうので、論理的思考を阻害してしまう可能性があります。

照明などを工夫して効果的に色を取り入れる

勉強の効率を上げるために、部屋を青一色にしても悪くはありませんが、そうした場合は特定の状況にしか対応できず、結局全体としての効果を下げる可能性があります。
したがって柔軟に対応できるように、部分的に色を取り入れた方がいいでしょう。
身の回りの小物などは色が決まっていて変化させるのは難しいので、証明を上手に活用して色味の調整を試みるがお勧めです。
こうすれば簡単に色を変化させることができ、様々な状況に対応して勉強の効果を上げることもできます。



今回は色について話してみました。
色を上手に使うことで、勉強の効率を上げたり、休息の効果を強めたりできます。
皆さんも色に着目して、身の回りを整理整頓してみてはいかがでしょうか。

勉強もただひたすら机に向かうのではなく、ちょっとした工夫で取り組みやすくできます。
色や道具だけでなく、食事や生活習慣も勉強に効果を及ぼすことがあります。
今やっている勉強法で行き詰まったときは、何か変えてみるといいでしょう。
何がうまくいくかははっきり保証できないので、色々なことを試してみるのが最も正解なのかも知れません。
何事もチャレンジは大切ですから。

2024.06.01

書籍紹介『おやすみロジャー』小さなお子様の寝かしつけにどうぞ

 乳幼児など小さなお子様をお持ちの家庭も多いことと思います。
子育て初体験のお母様方、お父様方もいらっしゃると思います。
子育てに日々奮闘していることと想像します。

慣れない子育てには大変なことが沢山あると思いますが、今回はなかなか寝付けない子供たちを寝かせるのにうってつけの本をご紹介したいと思います。



本日紹介する本はカール ヨハン・エリーン著『おやすみロジャー(飛鳥新社)』です。
心理学に基づいて巧みに計算された読み聞かせ絵本です。

『おやすみロジャー』のリンクはこちら

小さいお子様がいらっしゃる多くの家庭では、寝る前に絵本の読み聞かせをしているのではないでしょうか。
読み聞かせは子どもたちの言語能力を発達させ、読解力ばかりではなく創造力や発想力、共感する力を育てると言われています。
今後の学習のための基礎作りにとても重要だそうです。
また、親子のきずなも育てるとも言われ、感情を豊かにし社会性を養い、その後の子供たちの人間関係の構築にも大きな影響を与えます。

そんなときにいろいろな絵本を見せてあげていると思います。
私も娘が小さい時に読んであげたことがあります。
私が見ても非常に楽しくわくわくできるものが多かった記憶があります。
単純に絵を見るだけでも面白いですが、中には内容も凝っていて思いもよらないようなどんでん返しや予想外の展開があって、意外にも侮れないお話もあります。
絵が飛び出したり、色が変わったり動いたり。
最近の絵本は非常に考えて作られています。
その発想と創意工夫に驚かされることもしばしば。
子どもの本と言って侮ることはできません。

そんな多彩な絵本の中でも100万部を突破し、非常に評判になっているものの一つが、今回紹介する『おやすみロジャー』です。
この本は心理学に基づき、その構成や話し方、そして語彙にまでこだわって作られています。
出版された当時から非常に評判でしたので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

なかなか寝付けない子供を寝かせるために作られた本です。
たくさんの口コミでも、その効果の絶大さが書かれ「10分で寝かせられる」とも言われています。
うちの子も本を読み終える前に100%寝てしまいました。
本の中の注意書きにも「運転している人のそばで絶対に音読しないこと」と書かれてあるほどです。
私自身も体験して、ここまで効果があるとは思っていませんでした。
ぜひ、皆さんもお試しください。

『おやすみロジャー』で決まった時間に寝かしつけられるようになれば、子どもたちの生活も規則正しくなり成長にもプラスになります。
また、子どもが早く寝てくれればお母様やお父様も自分の時間を過ごせるようになるので、親の精神衛生にも良いです。
親が子育てにゆとりを持てれば、子どものことをよく見れるようになり、おおらかに接して子どもの健やかな成長を支えることができます。
親にも子にもいい本です。

有名声優である水樹奈々さんと中村悠一さんによる読み聞かせCDもあります。
家事で忙しくて手が離せないけど子どもを寝かしつけなければいけないときは、こちらが重宝するでしょう。
子どものそばで音声を流せば、子どもはその心理学的効果ですぐに寝てくれることでしょう。

第二弾、第三弾の本も出版されていて、それらも子育てのお役に立てる本のようです。
興味のある方は是非一度、手に取ってご覧ください。



今回は子どもの寝かしつけ本という、ちょっと変わった本をご紹介しました。
このように勉強に関する本ばかりではなく、子育てに役立つ本も紹介していきたいと思います。
昼寝の時間や夜中など、子どもがなかなか寝ないで困っているというご家庭は、『おやすみロジャー』を試してみてはいかがでしょうか。

生活に本があると子どもたちの心を豊かにしてくれます。
それは本を読むかどうかという問題ではなく、身近に本があることが子どもたちの心に何らかの作用を及ぼすからだそうです。
家に本をたくさん所有している家庭の子どもは、そうでない子どもより読解力など国語の成績が良い傾向があるという研究もあります。

実際に読まなくてもいい、内容も理解できていなくてもいい。
でも、そこに本があることが子どもの心理をくすぐり、豊かな人間形成の一歩につながります。
まるで魔法みたいですね。

2024.05.31

面白い漢字アート!漢字に隠された言葉が分かりますか?

 教科書や問題集に向かい、色々な知識を吸収することも大事ですが、子どものうちに「うわあ、すごいな」と心を動かされる経験を積むことも重要です。
感性を磨くことは発想力や想像力を育て、蓄積された知識とつながり、新しいひらめきをもたらすきっかけにもなります。
ただ問題が解けただけでなく、感動をもたらす勉強が提供できればと常に考えています。
そこで今回は、「へー」「面白い」と思えるようなものを見つけましたので、皆様と共有したいと思います。



漢字というものは、退屈で複雑で厄介なものと思う生徒がたくさんいます。
確かに、何回も何回もひたすら練習帳に書かされたり、見ただけでごちゃごちゃしているものを覚えようとするのは気が進まないものです。
目立った変化もなく、単純作業の繰り返しはつまらないものに感じます。

そこで漢字を違う視点から見られるサイトをご紹介します。
いとうさとしさんの「ことば漢字」というサイトです。

「ことば漢字」へのリンクはこちら

上の画像の「感謝」という文字を見てください。
一見ただの漢字で「感謝」と書いてあるように見えますが、よく見ると「ありがとうございます」というひらがなの組み合わせでできているのがお分かりでしょうか。
本当にびっくり!
「こんなことができるのか」「こんな発想は簡単にできるものではない」
まさに驚きと感動です。

いとうさんは他にも様々な漢字アートを発表しているのでご覧ください。
その全ての妙に感心するばかりです。
その中でも特に私は、「誕生日」という漢字が「うまれたしあわせ」になっているのに非常に心動かされ、涙がこぼれそうでした。
本当によく考えだされています。

このようにいとうさんの作品に子どもたちが大いに刺激を受け、漢字にもっと興味を持ってくれるとうれしいです。
さらに、いとうさんの漢字アートを参考に、生徒たち自身もオリジナルの漢字アートに挑戦してくれるといいですね。
漢字がもっと楽しくなると思いますよ。



勉強に限らず何でもそうですが、やる前に「苦手だ」とか「嫌だ」という意識を持たせないことが大切です。
なぜならそのようなマイナスの感情は学びに置いてはフィルターとなり、知識の吸収を阻害してしまうからです。

勉強をさせなければと焦るのも分かりますが、その結果子供に嫌悪感を持たせるとかえって効率が悪くなります。
本人がやりたいと思えるように、楽しいと思えるように、肯定的でやる気を促す言葉を投げかけてあげましょう。
慣れていないと難しいとは思いますが、日々心掛けなるべく実践するように頑張ってください。
きっとよい傾向が生じるのではないでしょうか。

本来、人間にとって「知る」ということは喜びであると考えています。
だから、子供たちの勉強も楽しくなるように、葛西TKKアカデミーは日々の指導方法にも工夫し努力しています。

2024.05.29

都道府県を一文字の創作漢字で!初めて見るのになぜか読める

今回はちょっと面白い記事を見つけたのでご紹介します。

『47都道府県を、すべて「1文字」で表現 センス抜群の創作漢字、作者のこだわりは』へのリンクはこちら

作ったのは札幌市でデザイン学部を専攻している大学4年生のARAMAさんという方だそうです。
たくさん漢字を都道府県名で書くのは面倒くさいので、一文字にしてしまおうと考えたみたいで、初めて見る人でも名前を知っていれば読めるように工夫したそうです。
確かに不思議と読めて納得してしまいます。
これで理解できるなら、今後、都道府県名は全てこちらに変えてしまってもいいような気させしますね。

皆さんもご覧ください。
全て分かりますか。



よく話すことですが、想像力、発想力など、勉強以外にも生活するうえで不可欠な能力、備わっていた方がいい力というのは確かにあります。
どうしても学校で学ぶ勉強のみが重要と思いがちですが、このような力も決して軽んじてはいけません。
勉強して与えられた知識ばかりでなく、非認知スキルとも呼ばれる能力を駆使して新たなものを創造する。
これは文明の発展には必要なもので、そこから創意工夫につながり、新しい発見などをもたらすからです。
だから、柔軟で豊かなクリエイティブな力も尊重し、子どもたちにそれを見つけたら伸ばし、決して失ってほしくないと考えます。

このように今まで誰も思いつかなかったことを思いつくのは、それがどのような形であれ素晴らしいと感じます。
例え洗練されてなくてもいい。
何かのきっかけになれば、それだけで十分価値があります。

葛西TKKアカデミーでは生徒との対話を重視し、一方的に教えるのではなく、共に考え一緒に問題解決に取り組むという学びも大切にしています。
その対話の中で生徒たちの考える力を育む、そんな学びを深めていきます。
問答や相互のコミュニケーションを通じて、生徒たちの中に眠っている何かを掘り起こせたらと、毎日の授業で奮闘しています。

多少寄り道になってもいいと思います。
確かに真っすぐにゴールにたどり着くのもいいですが、出発地と目的地しかない旅は楽ですがつまらないものです。
途中でいろいろあった方がいい思い出になるし、より洞察が深くなります。
勉強も同じように、ゆとりがあれば可能な限り紆余曲折しながら解答にたどり着いてもいいのではないかと考えます。
現実には様々な制約があり、それが実現しにくいのですが。
それでも、そんな学びができればいいなと常日頃考え努力しています。



今回の漢字も学習の中に生かすことが可能です。
漢字の仕組みやパターンを理解して、息抜きにオリジナルの漢字を作ったり、当て字を考えるのも楽しいでしょう。
今度は人名を一文字創作漢字にしてもいいですし、カタカタ言葉を意味からオリジナルの漢字にしてみるのも面白そうです。
実際に当て字なんかはこのような傾向がありますよね。

このように、勉強はちょっとした工夫で何倍も面白くなります。
ただやらされるのではなくて、与えられた枠をぶち破り、生徒たちが教科書の内容を越えて学びを楽しみ、喜びを感じられるようになってくれればと願います

2024.05.24

在日外国人の方々の日本生活お手伝いします!

 日本でも国際化が進み、葛西でもアジア圏を中心に外国籍の方々をよく見かけるようになりました。
このように海外の方と触れ合う機会が増えたということは、子どもたちにとっても自分の視野を広げるチャンスということもできます。
これまでも葛西TKKアカデミーでは子どもたちと外国の方々が触れ合う企画を何度か実施してきました。

同時に、葛西で暮らす外国の方にも日本の良さを知ってもらい、そして不自由なく幸せな日本の生活を送ってほしいとも願っています。
多様なニーズにお応えする葛西TKKアカデミーは、このように葛西で暮らす海外の方のために日本語レッスンや日本語サポートを行い、生活の支えになればと考え、様々なサービスを提供いたしております。
今回はそのようなサポートの一部をご紹介いたします。

1.日本語レッスン

日本語教員養成課程を終了し、日本語教育能力検定試験にも合格した先生が、葛西近辺に暮らす外国人の方々に日本語を教えます。
受講者のレベルや要望に合わせ、「日本語能力試験対策」や「日常会話教室」などの授業が受けられます。
日本語能力試験対策はN1からN5まで対応いたします。

合格のレベルによって日本での就学や就職が有利になることがありますので、ぜひチャレンジしてほしいと思いま日常会話教室では受講生の生活環境を考慮し、生活に必要な日本語の会話を勉強します。
それぞれの環境や目的に合わせて柔軟に対応しますので、希望要望は気軽にお伝えください。

2.日本語チャティング

日本語を実際に話して会話がうまくなりたい人、日本人と気軽に会話する機会が少ないが練習をしたい方向けのプログラムとなります。
お茶を飲みながら色々な話題を交えて、気楽に会話を楽しみながら練習するクラスです。
単純に会話の練習をするだけでなく、会話のテーマなどを通じて日本文化や日本社会、日本人の考え方などの理解を深めることもできます。

3.日本語ネイティブチェック

学生や社会人、主婦の方などが、日本語でのレポートや書類を作成するときに、その日本語が正しいかどうかをチェックしてもらうサービスです。
毎週の授業とは違い、必要な時に単発で受けられるサービスです。
もちろん文章を書くための日本語のお手伝いもします。

4.日本生活お手伝いセンター

言葉だけでなく、日本の暮らしで困っていること、分からないことの相談にのります。
文化的に理解できないこと、誰に尋ねていいかわからないこと。
どんな悩みでも共有し、問題解決のために考えます。

これら以外にも要望に応じて様々な支援ができればと考えています。
お忙しい方にはオンラインでの対応も可能です。
外国の方で、日本の生活にお悩みの方は遠慮なく一度ご相談ください。



葛西TKKアカデミーは生徒のみならず、地域の皆様のために役立つ塾を目指しております。
日本人だけでなく、どのような方々でも力になりたいと考えていますので、気軽にお問合せください。
地域に根差し、密着し、そしてお役に立てるよう日々頑張っています。

これからも葛西TKKアカデミーをよろしくお願い致します。

2024.05.20

「手書き勉強」vs「デジタル勉強」

 

最近はデジタルテクノロジーが発達してきているので、過去ではできない勉強法も普及してきました。
その代表的なものがコンピューターやタブレット端末、電子黒板などを使ったデジタル勉強があります。
確かにデジタル機器を利用した勉強は便利なところがありますが、これまで行われた手書きのアナログな勉強にもよい点があります。
今回は伝統的な「手書き勉強」と「デジタル勉強」について、そのいい点と悪い点を考え、最も適した勉強法の使い分けを考えてみます。



社会のデジタル化、IT化に伴い、その流れは学校などの現場にも及んでいます。
勉強のデジタル化の走りとなったのは「電子辞書」ではないでしょうか。
当時は「デジタルの辞書と紙で作られた辞書のどちらがいいのか」などという議論が飛び交っていましたが、このような話題は現代の教育現場でも盛んに行われています。

パソコンやタブレット端末、スマホなどを使った「デジタル勉強」と、これまで長年にわたって行われてきた紙ベースの「手書き勉強」のどちらがいいのでしょうか。
両者にはそれぞれメリットとデメリットがあります。
まずはこの点に注目して考えてみましょう。

1.「手書き勉強」のメリット

学習内容の記憶

「手書き勉強」の最大の強みは、学んだ内容を記憶にとどめやすいということでしょう。
これは多くの研究で指摘されていることですが、デジタルの勉強に比べ手書きの勉強をより多くの体の器官を使うので、脳への刺激がより多くなり、学習したことをより長く記憶にとどめる効果があるようです。
手書きは確かに時間がかかりますが、それがかえって認知能力に作用し、記憶に残りやすくなります。
公立の悪さ、面倒くささが、機械的な作業になりがちの「デジタル勉強」と違って、情報を記憶として蓄積されやすくするのです。

脳機能の向上

「手書き勉強」は脳の中でも特に前頭前野を活性化させ、脳全体のはたらきをよくします。
前頭前野は思考や記憶、発想や判断、集中力と感情や行動の制御など、人間の機能の重要な部分を担っています。
しかし、スマホなどのデジタルな機械を使った場合には、前頭前野は逆に機能を抑制されてしまうそうです。
つまり、「手書き勉強」は記憶に大きく貢献するだけでなく、脳全体のはたらきをも活性化させるのです。
そうすると勉強にもプラスの影響が大きいため、デジタルツールを使った勉強より「手書き勉強」の方が脳にとって非常によいのだと分かります。

2.「デジタル勉強」のメリット

勉強を気軽に取り組むことができる

パソコンやスマホを使った勉強は、「手書き勉強」ではできないことがたくさんできます。
例えば、アプリを使った勉強は、自動的に最適な問題を提供してくれたり、動画などで解説してくれたりと、これまでの勉強では考えられないようなことができます。
このようなデジタルな新技術は、子どもたちの勉強への抵抗感を下げてくれることがあります。
伝統的な机に向かってやらなければできない勉強法は堅苦しく、とっつきにくい感じがします。
一方、「デジタル勉強」の多くは時間や場所に拘束されません。
途中でやめても、次に勉強するときは簡単にそこから始められる。
リビングのソファーに寝っ転がりながらでもできる。
このように暇つぶしにスマホをいじるように、気軽に勉強ができるのは大きな強みです。

効率の良さと柔軟性

先ほど述べたように「デジタル勉強」は時間と場所を選ばず勉強できます。
移動中の電車の中、外出先、用事と幼児の間のすきま時間。
とりあえず、その時分からなくでも保存して、後で勉強することもできます。
また、動画や問題も自分がやりたいところ、分からないところを何度も好きなだけ繰り返し勉強することも利点です。
このような柔軟性は、勉強環境の拘束されやすい「手書き勉強」にはないものです。
また、アプリを使えばこれまでの勉強の記録が残り、自分の苦手分野が分析され、どこを勉強すべきか簡単に分かります。
アプリが自動的に自分に最適な問題を出してくれるので、勉強の効率化という点も「デジタル勉強」のいいところです。
そして、最近ではデジタル教材も充実してきているので、レベルや多様性、問題量の多さもこちらの方が勝り、しかも簡単に入手できることも見逃せません。
よってこれらを総合すると、「デジタル勉強」はかなり個人に向けたカスタマイズな勉強が可能と言えるでしょう。

その場ですぐに調べられる

「デジタル勉強」のもう一つの利点は、分からないときすぐに調べられるということです。
「手書き勉強」の場合、解説を読んでも分からないときは分かる人に聞くのが一般的でしょう。
しかし、学校の先生であれ塾の先生であれ、家で勉強をしていたらすぐに質問することはできません。
ひたすら一人で考え続けると非常に時間がかかり、しかも自分で問題解決できる保証もありません。
しかし、「デジタル勉強」であれば、インターネットなどですぐに調べることができます。
オンラインで友達とメッセージをリアルタイムに交換しながら、お互いに教えあい学びあうこともできます。
このように「おやっ?」と思ったときに迅速に勉強が理解できると、「A-ha!」モーメントとなり学習がより分かり深く脳内に刻まれます。
下手に悩んで解けない時間を過ごすよりも、外部の情報にすぐアクセスして解決してしまった方が、時間の短縮になり効率よく勉強が進みます。

3.「手書き勉強」or「デジタル勉強」

これまで見てきたように、「手書き勉強」も「デジタル勉強」もそれぞれに良いところがあります。
ということは、「どのような学習にはどちらの勉強法がいいのか」ということが問題となります。
例えば、復習や苦手な問題の解き直しなどは「手書き勉強」の方が向いています。
手書きにすることでもう全体が活性化するので、より深く理解することができます。

短時間で効率よく基礎的なことを学びたいとき、すきま時間を活用して勉強したいときは「デジタル勉強」がいいでしょう。
時間や場所に縛られることなく、即効的でリピートも簡単だからです。
離れた友達と共同して勉強を進めるリモート学習のときも、「デジタル勉強」が有効です。

このように両者には向き不向きがあるので、自分のやらなくてはならない勉強はどちらでやった方がいいか見極めることが大切です。
どちらか一方ではなく、状況に応じてうまく両者を使い分けてください。



今回は古くから行われている「手書き勉強」と最近急速に普及しつつある「デジタル勉強」について考えてみました。
スマホやタブレット端末がそれほどなかった親世代にとっては、なじみのない「デジタル勉強」は不安かも知れません。
しかし、実際に教育現場ではデジタル教材がどんどん活用されるようになり、現在の子どもたちはそれをうまく活用して勉強していることも確かです。
上記のように両者には強みと弱みがあります。
両方の勉強の特質を理解し、その時々でどちらの勉強法が効果的かを考え、バランスよく勉強してくれれば、これまで以上に子どもたちの学習も深まるのではないかともいます。

デジタル教材の普及は時代の流れであり、それを否定しての勉強はますます困難になっていくでしょう。
時代の変化にうまく適応して、子どもたちがこれまで以上に上手に勉強を進めてくれればと期待します。

2024.05.18

子どもの五月病を考えよう!気をつけないと不登校にも!

 ゴールデンウィークが明けたこの時期、大人だけでなく子どもにも五月病が増えていきます。
子どもの五月病とはどのような特徴があるのでしょうか。
その原因や対処法を考えてみたいと思います。

五月病からそのまま不登校になってしまう生徒もたくさんいます。
学校に行けなくなると受験やその後の生活にも大きく影響します。
一時的なものと考えず、適切な対応が求められます。

五月病とは

五月病とはどのようなものでしょうか。
4月から新年度となり多くの人たちが新生活をスタートさせます。
ただ、新しい環境というのは不慣れで分からないことだらけで分からないこともたくさんあります。
周囲から早く戦力としての活躍を期待されると同時に、多くのプレッシャーもあり知らず知らずのうちに無理をしてしまう。
このような新しい環境への適応がうまくいかず、ストレスなどから精神的に無気力になったり、肉体的に不眠になったりして体調を崩してしまうことがよくあります。
4月中はまだ活力もあり何とか頑張ってこれても、ゴールデンウィークで緊張が解け一度解放されると、連休明けに再び元の環境に戻れなくなって、家から出ることさえできなくなってしまう。
このような精神的に病んでしまうことを五月病と言います。

これは子どもだけでなく多くの大人もかかってしまうのですが、やる気が出ない、体がだるく疲れやすい、物事を悲観的に考えてしまう、よく眠れず食欲もないなどの症状があるときは注意してください。
胃痛や頭痛など身体的に症状が現れたときは医者に相談する必要があるかも知れません。
五月病は放置しておくと、本格的なうつ病になってしまう可能性があるので、早めに医師の診療を受けて下さい。

子どもの五月病

大人と同様に子どものこの時期五月病になることがあります。
学年が変わり立場が変わる。
特に新一年生は学校環境そのものがこれまでと大きく変わってしまうので、適応がうまくできないことが多いです。
大人と同じように無自覚にストレスをため込み、精神的そして肉体的に不調をきたすようになります。
人生経験が少ないので対処も上手にできず、自分の体調不良をうまく伝えることができない子供が多く、周囲が気づかないうちに深刻な状況に陥っている場合がよくあります。
食欲不振や不眠による昼夜逆転が起きると登校すらできなくなります。
さらにいじめなどの要因が加わると、五月病になりやすくなります。
そして、五月病をきっかけに不登校となり勉強にもついていけなくこともしばしばです。
こうなると学校生活に復帰することは非常に困難になります。

こんな症状があるときは要注意!

子どもの五月病は周囲に気づかれにくいばかりではなく、本人ですら無自覚で病気になってしまう場合があります。
子どもは自分から周囲に伝えることがうまくできないことが多いので、周囲が十分に気をつけてあげなければなりません。
そして、早期発見が早期解決につながります。
よって、子どもの様子が次のようでしたら五月病を考えた方がいいかも知れません。

・やる気がなく表情が暗い。
・疲労感があり食事もあまりほしがらない。
・夜にぐっすり眠れず朝起きられない。昼間に寝るようになる。
・学校のことを話したがらず、学校に行きたがらない。
・精神的に不安定でいつもイライラして怒りっぽい。
・学校に行こうとすると、頭痛発熱胃痛などの体調不良になる。しかし、行かないとなると治ってしまう。

このようなときは五月病を疑い、家庭で対処しきれないときは一度病院に行ってみてもらいましょう。

子どもが五月病になったときの接し方と対処法

新生活が始まり、新しい環境に適応しようと頑張ってきたのですが、その頑張りが過度となり子どもたち自身が自分に無意識のストレスを与えてしまっているのが、子どもの五月病の原因と言われています。
だから、真面目な子どもが案外五月病になりやすいようです。
無理して学校に通っていたところ、五月の連休によって緊張の糸が切れて病となってしまうようです。

よって、学校を怠けようと思っているのではないことを理解し、それまでの頑張りを認めてあげることが第一です。
だから、学校に行けない子供を非難するのではなく、周囲の人が本人のことをしっかり見ていて正しく理解していることを伝えてあげましょう。
そして、子どもと向き合い、子どもの心の中にある不安や悩みを聞いてください。
明確な答えを出してあげられなくても大丈夫です。
聞いてあげるだけでも、心が軽くなるものです。

学校に行けない子どもをせかすのではなく、時間をかけてじっくり体調が良くなるように対処しましょう。
とりあえず学校を休ませ、子どものペースに合わせてストレス発散とリフレッシュを試みるのもいいでしょう。
しかし、学校に行かないからと言って、一日中家に閉じこもるのはよくありません。
適度に外に出てお日様の光を浴びて散歩などの軽い運動をしてください。
気持ちがすっきりすると思います。
栄養のある食事をしっかりととって、生活のリズムを整えましょう。
特に睡眠は重要で、夜更かしをせず早寝早起きができるように、一日のスケジュールを立てるのもいいです。



五月病は対応を誤ればそのまま不登校にもつながり、学校生活そのものが営めなくなります。
多くのことを学ばなくてはならない子どもたちにとって、学校に通えないということは今の勉強が分からなくなるだけでなく、将来にわたって甚大な影響を与えます。
人生の可能性が大きく減るということは、未来に生きる子どもたちにとっては不幸といえるでしょう。
そうならないためにも五月病を侮ることなく、周囲が子どもの様子に敏感になり適切に対応することが不可欠です。
性格にもよりますが、特に真面目な子、繊細でストレスを受けやすい子は要注意です。

無理せずできる範囲で頑張ればいいと思います。
心にゆとりができれば、きっと学校生活も楽しめるようになります。
毎日を明るく過ごしてほしいと願います。

2024.04.28

GWお勧めイベント紹介『大哺乳類展3-わけてつなげて大行進』『オダイバ恐竜博覧会2024』

いよいよゴールデンウィークが始まりました。
皆様それぞれお出かけの計画はありますか。
まだ何も予定が決まっていないという方のために、葛西TKKアカデミーがお勧めの展示を二つご紹介します。

『大哺乳類展3-わけてつなげて大行進』


『大哺乳類展3』へのリンクはこちら

上野の国立科学博物館で開催中の特別展です。
前回の2019年のときよりパワーアップして戻ってきた、大人気の哺乳類展となります。

500点を超える哺乳類の骨格標本やはく製が会場いっぱいに展示してあります。
会場中央のステージには200体もの標本が大行進!
これは見る人を圧倒します。
普段公開されないようなとっておきの標本も見られるので、生きもの好きの子どもたちには是非楽しんでほしいです。

今回のテーマは「わけてつなげて大行進」ということで、見た目は似ているのに別の種類の哺乳類、または別の種類なのに見た目がそっくりな哺乳類と「類似性」という点に着目し、「分類」と「系統」という二つのキーワードで不思議を掘り下げていきます。
そこには環境と適応という要素が大きく関わっており、哺乳類同士の関係性を分かりやすく説明してくれています。
特にDNA解析から、これまで見た目の類似性から近縁種と思われた哺乳類が実は違っていたりと、これまでの常識を大きく覆すような研究成果が発表されています。
メイン会場では圧巻の200体の哺乳類標本の大行進だけでなく、骨格や内臓標本から外観では分からない各分類群の特徴を紹介した「実物図鑑」も見ることができます。
違う系統の生きものでも似た環境で暮らしているととても似た身体的特徴を持つ「収斂進化」という現象に着目し、哺乳類の違いや共通性を発見できるか分かりやすく解説してくれています。

数多くの標本の中でも史上最大の生物であるシロナガスクジラの実物大の心臓模型はその大きさにきっと驚きます。
子どもたち自身の身長よりも大きいにもかかわらず、基本的構造は人間と全く変わりません。
また、あの長い首を持ったキリンも、その頸椎が人と同じ7個でできているというのもびっくりです。
このように実際に標本や模型を見ることで、生きものについての驚きが実感として伝わる展示となっています。
そして、分かりやすい解説が「A-ha体験」となり、子どもたちの好奇心をくすぐり身の回りの不思議に興味を持ってもらえるといいです。

ゴールデンウィーク期間中は開館時間が19時まで(入場は18:30まで)となっていますので、いつもよりゆっくり鑑賞できますし、仕事などで早く来れない人にも来場のチャンスが増えるので、是非訪ねてほしいイベントとなっています。

『オダイバ恐竜博覧会2024』


『オダイバ恐竜博覧会2024』へのリンクはこちら

もう一つはみんな大好き恐竜展です。

実は、北陸地方は古くから日本の恐竜発掘で有名な地域だということをご存知でしたでしょうか。
特に福井県は多くの恐竜化石が発見されることで有名で、「フクイサウルス」「フクイラプトル」「フクイベナートル」「フクイティタン」など「フクイ」の名を冠している恐竜がたくさんいます。
そんな福井県の県立恐竜博物館からお台場に、恐竜標本など約70体がやって来ます。

トリケラトプスやティラノサウルスなどのおなじみの恐竜の骨格化石の他、福井で見つかった恐竜の化石も展示されています。
映像やジオラマを使って、恐竜の生きていた時代を再現。
さらに、まるで生きているかのようなロボットの恐竜が私たちを迎えてくれます。
原寸大の動いて吠えるスピノザウルスが何と言っても目玉のようです。
本物のような迫力に度肝を抜かれること間違いなしです。

また、実際に石を砕いて中に恐竜の化石が入っているか、化石発掘を体験できるコーナーもあります。
子どもたちに貴重な恐竜発掘体験をさせてみてはいかがでしょうか。
運よく化石が出てきたら大発見になるかも知れませんよ。



今年のゴールデンウィークは連休が二回。
家族そろってお出かけするには非常にいいカレンダーとなっています。
このような特別展に行って色々な不思議や驚きに触れて、子どもたちの知的好奇心を刺激してみてはいかがですか。
貴重な学びの体験は、子どものころのよい思い出となるばかりでなく、学校の勉強にもとても役立ちます。

皆さんで楽しいゴールデンウィークをお過ごしください。

2024.04.16

大学入試の総合型選抜とは何か?かつてのAO入試とどう違うのか?

 

大学入試の総合型選抜とは何か?かつてのAO入試とどう違うのか?
学習指導要領の変更に伴い、大学入試の方法もかなり変化してきています。
以前のセンター試験は廃止され、新たに共通テストになったのはその一例に過ぎません。

今回は制度の改訂で新しく導入された大学入試の選抜方式である「総合型選抜」について説明したいと思います。

1.「総合型選抜」とは

「総合型選抜」とは各大学が求める学生像(アドミッション・ポリシー)に合った受験生を、学力面だけでなく高校での活動や個性、適性、意欲などの人間性まで含め、受験生を総合的に評価し合否を判断する方式です。

私立大学ばかりでなく国公立大学でもこの方式を採用するところが増えており、一般的に9月以降の早い時期に試験が行われます。
選抜内容としては志望理由書や調査書の書類選考に加え、面接や小論文、課題やプレゼンテーション、実技試験など幅広い項目が含まれる可能性があります。
もちろん学科試験を実施する学校もあります。
大学が個別に学力試験を用意する場合もありますし、共通テストを学科試験として課すこともあります。
よって、「学科試験がないから総合型選抜を受ける」というのは注意が必要です。

実施スケジュールは9月頃から出願が始まり、10月頃から試験が行われます。
しかし、学校によっては出願以前にエントリーや面談を実施するところもあるので、6月頃に出される募集要項をしっかり読んで確認してください。
試験の全過程が終了するのに1ヶ月から3ヶ月かかることもあります。
また、先ほど述べた通り共通テストを試験に含むところは、試験の全てが終わるのに更に時間がかかります。

いずれにしても大学ごとに試験内容も日程もアドミッション・ポリシーなど要求されるものも違いますので、受験校の募集要項を気をつけて読んで、入試内容を正しく理解した上で受験をしてください。

2.「アドミッション・ポリシー」とは

このように一般受験と大きく違う訳ですが、総合型選抜で最も要となるものがアドミッション・ポリシーです。
いくら学力点が高くても、アドミッション・ポリシーに合わなければ合格できません。
とは言っても、アドミッション・ポリシーという言葉は日常ではあまり使うことがなく、なじみのない人も多いと思います。
そこで、「アドミッション・ポリシー」を簡単に説明したいと思います。

「アドミッション・ポリシー」とは大学が抱く理想や信念、目標などに基づき、どういう学生に来て学んでほしいかを明文化したものです。
どのような力や技能を持っているか、どのような人格や性質を有しているか、将来どのようなことをやりたいと考えているかなど、求める学生を描写しています。
さらに、受験生個人の学問や分野における興味や関心、探求心、特技や技能、資格なども考慮されます。

しばしばアドミッション・ポリシーは抽象的で分かりにくいことがあります。
結局、具体的にどのような学生を求めているのか分かりずらいときは、学校見学会や説明会、またはその他の機会で直接大学に問い合わせるのがいいです。
少なくとも曖昧のまま受験することのないようにしてください。

3.試験方法

試験内容・必要書類は各大学によって異なるので必ず問い合わせるか募集要項をしっかり読んで、自分が何をしなくてはいけないのか理解した上で受験してください。

基本的に必要なものは志望理由書と調査書になります。
志望理由書は自分がいかに大学のアドミッション・ポリシーに適合しているかアピールし、なおかつ自分の将来に向けてその大学で勉強することがどうして必要か説得しなければなりません。
また、調査書が必要ということは、高校時代をいかに過ごしたかが重要となるわけで、勉強の成績が優秀なだけでなく、部活や委員会活動、ボランティアや課外活動など、自身の積んできた経験が問われます。

試験内容に関して、一般的に小論文と面接が課せられます。
自分の目指す学部学科に関係する小論文が出され、面接ではその分野の知識を問われることもあります。
大学によっては事前に課題が出され、それを試験当日プレゼンテーションしなくてはならなかったり、実技などを披露しなくてはならなかったりします。
さらに先に述べたように学力テストが行われるところもあり、「総合型選抜では勉強しなくてもいい」と誤解することのないように気をつけてください。
テストは大学が独自に作成したものか、共通テストを受けさせることが多いです。

4.「総合型選抜」の注意点

第一に注意しないといけないことは日程です。
一般受験よりかなり早く行われ、当然募集の開始と締め切りも早くなります。
自分の進学したい大学を早く決め、その大学の試験を受け合格するため対策を早めに始めないといけません。
また、調査書が必要ということはある程度の評定平均を取っていないと、場合によっては受験資格さえ与えられないということがあります。
すなわち一年生からの積み重ねが大事で、三年生になって総合型選抜を受けようとしても受けられない場合があります。

さらに、一般受験と同時進行で受験しようと思っている生徒は、かなり厳しい受験勉強を強いられる可能性があります。
受験の内容と性質がかなり違うので、両方の対策をするということは他の受験生より多くの準備をしなくてはならないことを意味します。
仮に総合型選抜一本に絞ったとしても、その受験に失敗すれば三年生の早い段階で進むべき大学がなくなるという事態に陥ることも考えられます。
つまり、本気で準備をし必ず合格するつもりで万全の対策を行わないと、失敗したときつぶしが効かない分、危険度が大きいということです。
そして、自分の興味関心、専門知識と経験、そして将来の人生設計をしっかり持っていないと選抜において適切に対応しきれないし、受験する大学を十分理解していないと不適格と見なされるかも知れません。
一般入試以上に事前準備が重要になります。

面接や小論文、プレゼンテーションなどがあるので、内容理解力や分析能力、表現力も不可欠になります。
これらは一朝一夕に身に付くものではないので、普段から触れて慣れる必要があります。
日頃から身の回りの物事や日常生活の中の問題に着目し、問題意識をもっていろいろなことを考えることが思考力の字向上につながり、人と議論を積み重ねていれば総合型選抜を優位に進めることができるでしょう。
普段から「問い」を見つけ考えを深めていく癖をつけてください。

自分の個性や強みを生かせるという点では、アドミッション・ポリシーにそれがあっていれば受験は有利になります。
しかし、そうでない場合、どうしてもその大学に入学したければ不利であっても事前に自分の実力を上げなくてはいけません。

5.「AO入試」とどう違うのか

よく言われるのが「総合型選抜」は以前の「AO入試」と同じということです。
しかし、これは正しくありません。
では、この両者はどのように違うか最後にお話したいと思います。

AO入試というのは、これまで学力試験の結果のみで無条件に誰でも入学を許可していたのに対し、大学がほしい学生像を提示することで大学の望む人物を選抜する方式でした。
総合型選抜と同じように調査書や小論文、面接や実技試験を実施し合否を決めていました。
こうして学力の枠組みのみに囚われない選抜方式として広く普及していったのですが、その結果多くの受験生には大学で学力試験を受けない受験方法として認知されるようになってしまいました。
そこで教育改革に伴い、文科省が中心となってAO入試の見直しが行われ、何らかの形で受験生の学力も問う「総合型選抜」という新しい様式として導入されました。

つまり、学力の評価も伴う点が「総合型選抜」と「AO入試」の最大の違いです。



教育改革が実施され、学校教育のあらゆる面がこれまでとは大きく変わりました。
大学入試もその一つで、未だに多くの人に認知されていないこと、多くの人が分からないことがあります。
「総合型選抜」も改革に伴い導入された新しい受験形式ではありますが、まだ正しく理解されていない部分がたくさんあります。

社会全体としても変化の激しい昨今ですが、教育においても変化を正しく認識し、その対策を適切に行うことが受験で打ち勝つ最大のコツです。

2024.03.22

小学4年生が算数検定6級合格しました!

 

小学4年生が算数検定6級合格しました!
以前、お話しましたが、葛西TKKアカデミーでは算数検定6級に挑戦している小学4年生の生徒がいました。
そして、先日初めて検定試験を受けたのですが、見事合格しました!
本日は、この喜びを皆様と分かち合いたく投稿しました。

算数検定6級というと小学年生レベルの学力が必要で、小学4年生の彼が合格するというのは大きな偉業と言っても過言ではありません。
しかし、こう言っては失礼ですが、彼は決して算数の天才ではありません。
普通の小学生です。
よって、この偉業達成には秘密があるのです。
今回はこの事例から、「好き」がもたらす勉強の効能と、「好き」を保ち続ける大切さについても考えてみたいと思います。

先ずは合格おめでとうございます

生徒を指導する立場にあるものとして、生徒の努力が実を結んでくれることは何よりも喜ばしいことです。
今回のことに限らず、生徒の希望が叶ったときは素直にその頑張りを称えたいと思います。
心からおめでとうの言葉を送ります。

しかし、合格には生徒の努力が不可欠であり、今回の結果もその点を強調したいと思います。
自分の努力が実力となり、そのせいかが発揮できたわけで、生徒自身もそのことを誇りに感じてほしいし、今後の生きる自信にもつながればと願います。
いずれにしても望ましい形で一区切りついたことに安堵しております。

「好き」を大切に

昔から「好きこそものの上手なれ」ということわざがありますが、この生徒も算数が大好きで、学校の勉強以外にも自分から問題集を買って進んで算数の問題を解いていました。
どうして彼が算数が好きになったのか明確な経緯は分かりませんが、重要なことの一つは「彼は算数が好き」という気持ちを持ち続けたことと、親がその気持ちをないがしろにすることなく応えてきたということです。
子どもの「算数を勉強したい」という思いを大切にし、問題集を与え、分からないときは教えてあげ、親が対応しきれないときは塾の先生に教えてもらえるように、常に子どもの気持ちに応えられる環境を整えていました。
人間、好きなことには情熱を注ぎ、率先して取り組みますから、自然と上手になる訳です。
勉強も同じで、子どもがやりたいと思ったときにやれる状況を作ってあげることが大事です。

もう一つ重要なことは、子どもの「好き」という気持ちを尊重してあげることです。
せっかく好きでやる気になっているのに、意図的でないにしても、それを否定してしまうと、自己肯定感も弱まっていきますし、毎日の生活も楽しくなくなっていきます。
日々の暮らしが楽しくなければ、生きていく喜びも薄れ、勉強に対しても投げやりになってしまいます。
特に運動や芸術など勉強以外の創造的活動も含めて、子どもが「好き」という気持ちを持っているのであれば、それを守ってあげてください。
技術的に子どもの能力が上がるだけでなく、精神的にも健全に成長ができます。

小学校に入ったとき、子どもたちは勉強に憧れ、とても明るい目をしています。
自分が一つ大人に近づいたようで、嬉しくてわくわくしています。
もちろん勉強が好きという子どもがほとんどです。
しかし、学年が上がるにつれだんだんと「勉強が好き」という子どもは減っていきます。
その理由はいろいろあります。
勉強が自分の理解を超えて分からなくなった。
そして、そのとき上手く教えてくれなかったから、そのままにしていた。
そうするとますます分からなくなり、ついていけなくなって勉強がつまらない苦痛な時間になってしまった。
または、周囲の人間が勉強を非難し、勉強することが格好悪いように言う。
理由はいろいろあると思いますが、このような勉強を嫌いになるような状況を極力避け、小学校に入学したばかりのころの、あの純粋で無垢な勉強に対するあこがれのまなざしを失わさせることのないように、子供たちの「好き」を大切にしたいものです。

「好き」なことはラッキー!

子どもたちと話していると、とても無気力で「好きなものは特にない」と言われることがあります。
いろいろな事情で、子どもたちが将来に夢を持ちにくい状況があるのも否めません。
若者は本来あらゆることに無頓着で、だからこそ好奇心旺盛で多くのことにチャレンジし、たくさんのことを学び成長します。
しかし、どうも子どもたちからそのような生気を奪い取る、社会的閉塞感があるのも事実でしょう。
そのような現代において、子どもたちが「好き」でいてくれることは非常にラッキーなことだと思います。
運よく子どもたちが「好き」を持っているのであれば、大人としては全力で支えてあげたちものだと感じます。
社会全体で可能な限り子どもたち一人ひとりの「好き」を支えていければ、子どもたちはどんどん人として成長し、世の中もよい未来に進むのではないかと期待しています。
「好き」を持っている子どもたちの幸運に感謝し、少しでもよい方向に伸ばしてあげられればと願うばかりです。

反対に、人間は一度「嫌い」になってしまうと、もう二度と関わることでさえ嫌になってしまいます。
そうして拒絶に入ってしまえば、新しい可能性は失われ、元の関係に戻ることは非常に困難になります。
勉強も同じで、一度「嫌い」になってしまえば見るのも嫌になり、勉強に取り掛かることさえできなくなります。
こうなってしまえば、勉強をできるように改善することは難しく、仮にできたとしても莫大な時間と費用が掛かります。
現実には受験などの時間制限に生徒は追われるので、勉強嫌いになった生徒ができるようになるのはほぼ不可能です。
だからこそ、子どもたちを「嫌い」にしてはいけないのです。
こうならないためにも、大人は全力で子どもたちの「嫌い」を回避しなくてはなりません。

私がよく言うのは「勉強を好きにならなくてもいいけど、嫌いにはならないで」ということです。
まあ、私の真意も知らず子どもたちはあっさりと「勉強嫌い」と言うのですけどね。
まとめると、「嫌い」になってしまうと手がつけられなくなるので、「好き」がまだあるうちは幸運と思って、その「好き」を大切に守りましょうということです。



今回算数検定6級に合格した小4の生徒は、実は来年度から大阪に引っ越します。
偶然にもこの塾に巡り合って、自分の大好きな算数を一所懸命に頑張ってくれていたので、何かの記念になればと考え、今回の受験を提案しました。
試験日を目指してコツコツ勉強し授業でも積極的なので、教え甲斐があり一緒に勉強した日々はとても楽しいものでした。
そして、望み通り合格し、一つの形となって努力の証ができたことを純粋に喜んでいます。
彼にとってよい思い出の一つになってくれることでしょう。
しかし、この合格の裏には本人の努力だけでなく、彼の「好き」を尊重し伸ばしてくれた親御様の理解も欠かせません。
周囲の人間が協力することで、子どもはより大きく成長できます。

今回のことで勉強に限らず子どもたちの「好き」を大切に守って、彼らの成長につなげられるように力になりたいと改めて感じました。

ちなみにこの生徒は小学の算数の勉強が終わったので、すでに中学の数学を学び始めています。

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