塾長ブログ
2018.02.14
言葉は音から。英語の勉強は音から始めましょう!動画紹介『ABC kid TV』これで楽しく英語の聞き取りと発音練習ができます。葛西駅そば、個別指導塾葛西TKKアカデミーは小学生から全てのレベルの英語学習に対応します。
英語教育が大変です!
文科省の進める教育改革により、英語教育の強化が求められています。
英語教育は小学校から始まり、3、4年生は英語活動として、5、6年生は正式教科として導入されます。
東京都では高校入試で英語のスピーキングテストを取り入れることを発表しています。
また、大学受験でもセンター試験が廃止され共通テストに変わりますが、その際、英語は英検などの民間テストを活用することが決定されています。
目的は今までの読み書き中心(と少しばかりの聞き取り)のテストから「話す」能力も試験するためです。
学校教育の英語がテストのための英語になっていて、文科省が目指すグローバル社会で活躍できる人材が育っていないことへの反省から、英語教育が大きく変わろうとしています。
これからは「聞く」「話す」の能力がより重視され、実際にコミュニケーションができるようにならなければなりません。
学校の先生の中にはローマ字読みの日本語英語で教える人がいます。
そんな先生に教わった生徒は、そのような英語しか聞き取れず、ネイティブの発音が分かりません。
当然話すときもカタカナ英語になり、相手に理解されずに自信を失うこともよくあります。
英語がコンプレックスになり、ますます英語から遠ざかる。
それでも今までは、読み書きさえできればテストに支障はありませんでしたので、テストのためだけと割り切ることができました。
でも、これからはそうはいきません。
聞き取りや発音もできないといけません。
そこて本日ご紹介するのは『ABC kid TV』です。
『ABC kid TV』には児童向けの歌がたくさんあります。
簡単で覚えやすいリズムに歌が載っていて、スピードも速くないので聞き取りも比較的楽です。
これを聞きながら少しずつ英語の音に慣れてほしいです。
そして一緒に歌いながら、日本語とは違う英語の音をまねながら発音できるようになってほしいと思います。
最初から完璧である必要はありません。
繰り返し一緒に歌っていればだんだんできるようになります。
実はネイティブの人も最初は「phonics」を学びます。
「phonics」とは英語の音のことで、どのアルファベットはどんな音になるのかということを勉強します。
そしてアルファベットの文字と音の関係を理解しながら、スペルを覚えていきます。
日本の学校教育はこれか欠けているので、生徒も先生もローマ字を当てて、反って通じず難しい英語を勉強しているのです。
葛西TKKアカデミーでも小学生などの英語では最初に「phonics」を教えます。
そうすると、特にまだローマ字英語に染まっていない生徒たちは、すぐにネイティブのようなきれいな発音ができるようになります。
若い耳は非常に敏感で精度がよく、口の筋肉も柔軟なのですぐに対応できるからです。
『ABC kid TV』には「phonics songs」もたくさんあります。
こちらを使って練習するのは非常にお勧めです。
そばに発音の指導ができる人がいると尚いいです。
きちんと口の形や音の出し方も教えれは、みるみる上達していきます。
現在、学校は改革中で現場の対応が追い付かないという声も聞きます。
従って、学校に依存するだけではなく、自分から積極的に学んでいく必要があります。
なぜなら学校の準備ができていようがいまいが、入試などで評価されることは決まっており、その評価は生徒たち本人の成果とされるからです。
葛西駅そば、個別指導塾葛西TKKアカデミーは全ての生徒の力になります。
困ったことや分からないことがありましたら、ご遠慮なくお問い合わせください。
皆様を応援しています。
2018.02.11
子供のやる気を出させる言葉、やる気をなくさせる言葉についての調査結果が出ました。そこから見えるものは何でしょうか。葛西駅そば、個別指導塾葛西TKKアカデミーは生徒たちの心を考えます。
「やる気スイッチ~ 君のはどこにあるんだろう~
」でおなじみの「株式会社やる気スイッチグループホールディングス」が面白い調査結果を発表したのでお伝えします。
株式会社やる気スイッチグループホールディングスが全国の中高生に対し、「やる気スイッチがオンになる言葉、オフになる言葉」についてのアンケートを行いました。
「つい言っちゃう……子ども100人に聞いた「やる気スイッチ」がオンになる言葉、オフになる言葉」へのリンクはこちら
結果は以下の通りです。
やる気スイッチをオフにする言葉 ワースト3
1位:勉強しなさい・早くやりなさい(53%)
2位:何をやってもできない・どうせできない(18%)
3位:勉強なんてしなくていい・遊んでていい(11%)
やる気スイッチをオンにする言葉 ベスト3
1位:がんばって・応援しているよ(37%)
2位:このままじゃ受からないよ・しなくていいの?(30%)
3位:部活のためにがんばりな(7%)
3位:無理しないでいいからね(7%)
3位:携帯解約するよ(7%)
この記事によると、やる気スイッチをオンにする言葉もオフにする言葉も母親からが最も多くなっています。
家庭環境を鑑みると、いずれにせよ子供に直接言葉を掛ける機会が一番多いのが母親だからだと思います。
従って「母親が言うから」やる気が左右されるというわけではないでしょう。
これらの言葉の中で気になるものがあります。
オフにする言葉で「勉強しなさい・早くやりなさい」が一番多くなっています。
分かっているのに言われるのが嫌、やろうと思っていた矢先に言われるのが嫌という声を私もよく聞きます。
口調やタイミングが大事なのも分かりますが、表現方法も肝心だと思います。
これを誤ると反発心が生まれ、やる気がなくなるようです。
命令口調ではなく、問いかけや促す言葉にしてみてはいかがでしょうか。
「やっても無駄」というような否定的な言葉は本人のやる気をそぐと同時に自尊心を傷つけます。
更に悪いことに、この言葉を理由(言い訳)にして、勉強しないことを自分の中で正当化するきっかけを与えることにもなります。
また、子供は割と客観的で、言葉を掛けた人が自分を棚に上げるように言っていれば(例えばテレビを見ながら言う)、その言葉を本気で受け止めません。
オンにする言葉も2位以降は脅迫的で、自分の意志で勉強やろうをは考えないでしょう。
「とにかく勉強すればいい」という意味では効果があるかもしれませんが、長期的に勉強やる気が削がれるのではないかと心配です。
私が考えるに、言葉そのものの問題というより、「誰がどのように言うか」という方が重要です。
同じ言葉でも子供がふさわしいと思う人(信頼関係ができている人)に言われるとやる気が出るでしょう。
指図するというより、一緒に考えるように接するといいでしょう。
どうすればいいかを一緒に考え自分で決めさせれば、自分のことを考えてくれているという安心感にも関わります。
また、いきなり大きな目標を立てるのではなく、小さくすぐに成果の出る分かりやすい目標をたくさんやらせるのもいいです
成功体験はやる気につながります。
やる気を出させるのは、押し付けの命令より共感と導きの言葉がいいと思います。
そして状況を見極め、よく考えて発するようにしましょう。
2018.02.08
書籍紹介『五分シリーズ』(河出書房新社)読書が苦手な生徒でも五分で読めるので大丈夫。たくさん読めば読解力も表現力も身に付きます。葛西駅そば、個別指導塾葛西TKKアカデミーは、これから日本の教育で重視される「考える力」を育てます。
本日ご紹介する本は河出書房新社の『五分シリーズ』です。
最近の生徒たちは本を読まなくなったと言われます。
しかし、実際には昔に比べ小中学生の読書量は増えているそうです。
その理由は「朝の読書活動」で、これは文科省が2001年に掲げた「朝の読書活動の推進」に基づき、多くの小中学校で実践されています。
この通称「読活」のお陰で、小中学生の読書量が増えたとのことです。
学校において取り組みは様々ですが、だいたい朝の10分から15分程度を使って生徒たちに読書をさせています。
このような背景もあり、学級図書として短い時間で読める短編の読み物の需要が高まっているようです。
このシリーズは5分で読めるというコンセプトで、一冊に10本ほどの短編集となっております。
何百ページもあると、その量に圧倒されなかなか手がつきませんが、これならば途中でやめても中途半端になりませんし、非常に取り掛かりやすくなっています。
内容も「感涙」から「衝撃」まで幅広く、好みに応じて選ぶことができます。
もともとはweb投稿コンテストへの投稿物でしたが、非常に人気が出て書籍としても扱えるようになったそうです。
新人作家が中心とはいえ、内容のいいものばかり集められ、意外などんでん返しがあったりして面白いです。
本当に短く手軽なので、通勤通学の車内で読んでもいいでしょう。
SNSが普及している現在、生徒たちの言語活動は非常に限定的で、毎日同じメンバーと同じ内容のコミュニケーションを繰り返すようになっています。
昔なら、そのようなツールはないので嫌でも様々な人と触れ合わなくてはならず、自然と多様な考え方に触れ理解力と表現力が養われてきたものでした。
しかし今はそうではなく、私も現場で生徒たちを教える時、これらの能力が非常に低下してきているのを感じ、危惧しております。
どのような形であれ、様々な言葉に触れる機会を作る必要があります。
なぜなら言語は直接思考と結びつき、言語の貧困はそのまま思考力の貧困につながるからです。
取り掛かりやすい者から読書を始め、やがてその面白さに引き込まれ、どんどん本を読んでもらえることを期待します。
非日常的な物語は刺激的で、生徒たちの想像力を培うのにも役立ちます。
それは与えられたものを正確に読み取る力に加え、自己表現、自ら創造する力にもなります。
現在、文科省は知識偏重の学習ではなく、学んだことを活用し始めから答えの定まっていない問題まで対処できる人材の育成を目指しています。
それが今、着々と進められている教育改革の基盤の一つです。
これに対応できない生徒は、今後の勉強や受験において非常に困ります。
そうならないためにも、この『五分シリーズ』は考える力を養い、より高度な学びへの入り口として最適かと考えます。
2018.02.01
昨日は月食でした。塾からも綺麗に見えました。このような天体ショーや身近な経験から勉強に興味を持ってもらえればと考えます。葛西駅そば、個別指導塾葛西TKKアカデミーは生徒たちの好奇心を大切にします。
昨日は月食がありました。
曇りという天気予報でしたが、思いのほか月は綺麗に見えました。
神秘的で心が動かされるものがありました。
掲載した写真はスマートフォンなので、うまく撮れていませんが。
午後8時半には欠け始め、どんどん暗い部分が大きくなりました。
そして、午後10時過ぎにはほぼ全体が暗くなり、うっすらと赤みを帯びていました。
今回はスーパームーンに月食が重なり、しかも満月。
非常に珍しい月食だったそうです。
確かに、いつもより大きかった気がします。
月食とは地球の影に月が入って、月の表面上に地球の影が落ちてできる現象です。
日食と違って影が月を隠しているので、暗いところとの境界線ははっきりとはしておらず、完全に隠れてもぼんやりと月が見え、今回のように真っ暗にはなりません。
日食と月食は中学校の理科の時間に扱われる項目で、当塾でもよく説明します。
机上の勉強では実感もなく、興味もわかないかもしれません。
しかし、このような天体ショーを自分で目撃すれば、その感動はひとしおでしょう。
そして宇宙についてどんどん興味を持ってくれれば、勉強も楽しくなるはずです。
知の感動は日常にあふれています。
大事なのは発見し、実感し、想像することです。
そうして思いを巡らせ、自分なりの解にたどり着いたとき、人間の知的喜びは最高潮になります。
このような経験を沢山すれば、知的好奇心も高まり、勉強が楽しくなるはずです。
個別指導塾葛西TKKアカデミーは常に生徒たちが楽しくなる授業を心がけています。
つまらなくならないように、いろいろ工夫します。
勉強は苦しみではなく、喜びなんだと思えるように努めています。
このように知的好奇心を刺激することは、実は家庭でもできるのです。
親子が一緒に何かする。
料理でも工作でもハイキングでもいい。
不思議だなと思えることはたくさんあります。
どうか皆さん、そのようなチャンスを逃さず、答えを教えるのではなく一緒に考え話し合ってみてください。
そうすれば子供はどんどん学びに飛び込んできますから。
2018.01.31
新成人に対する「将来の夢」「日本の未来」についての調査結果が出ました。今の若者はどのように考えているか。葛西駅そば、個別指導塾葛西TKKアカデミーは若者が希望の持てる未来を願っています。
1月8日は成人式でした。
そこでマイクロミルという調査会社が面白い調査結果を発表していたのでご紹介します。
『新成人500名に聞く、2018年 新成人に関する定点調査』へのリンクはこちら
この調査から、今の若者の将来に対する考え方が垣間見られます。
個人的に次の3点に興味を持ちました。
1.将来の夢がある新成人は過去最低の54%
2.日本の将来は明るいと答えた新成人は2015年からほぼ横ばいの34%
3.将来就きたい職業で第2位が「分からない」の28%で、1位の「会社員」と3%の僅差
先ず、将来の夢に関して、「夢がある」が54%という数字で、高いのか低いのか検討の余地があります。
ただ、近年連続して下がっているところを見ると、やはり気になる数字ではあります。
また、日本の未来に関しても明るいと答えた新成人が最近はずっと33%前後を記録して、一向に上昇ていません。
将来就きたい職業も「分からない」がおよそ三分の一で、三位の公務員と共に、最近は増加傾向です。
一方、一位の「会社員」は減少傾向にあり、「分からない」と僅差になっています。
以上の結果から、若者が将来に関して希望が持てないのではないかと推測できます。
不安で何をしていいのか分からない。
何かしたくても、その方法が分からない。
未来よりとりあえず今、できる範囲で満足したい。
社会においても確信が持てないのに、ましてや自分の将来なんてわかるはずもない。
そんな声が聞こえてきそうです。
昨今のニュースを見ると、「ブラック企業」などネガティブなものが目につきます。
バブル崩壊後の不況の中で育った彼らには、昔のように「勉強していい大学を出れば将来が保証される」という確定路線はない。
むしろ、どんなにいい大学を出ても、ずっと職に就いていられるかすら分からない。
そんな話を聞いて、「努力が報われない」と悟っているのでしょうか。
よく生徒が「そんなのをやって意味があるのですか。」と言います。
やってすぐに良い結果が出ないとやる価値がないと判断するのでしょう。
物事には結果が出るまで時間がかかり忍耐と努力が必要なものもあります。
しかし現在はスピードを求める時代です。
社会的に待っていられないようです。
目標達成に時間がかかるのならばやらない。
これも生徒のキーワードですが、「面倒くさい。」とよく言います。
私は「面倒くさい」と言うのは「手間を掛ければできるという意味だからやれいいじゃないか。」と言います。
しかし、生徒は「面倒くさい」のは無駄だからやらないと考えるようです。
裏を返せば、「楽なことしかしない」ということです。
また、高い自尊心と自己への過小評価が同時に見られるのも特徴です。
質問しても「答えたくありません。」と言います。
「分かりません。」ではないのです。
自分が分からないと認めることはプライドが許さない、または周りに見下されるから恥をかきたくない。
答えなければ、分からないという意味でないので傷つかずに済む。
そうやって外見を繕っても、自分はできないというのを自分が一番知っている。
それでも自分は傷つきたくないし、周りから劣っていると見られたくもない。
見栄が強い…。(インスタグラムが流行るのもこのせいでしょうか)
当塾では「間違ってもいい。」「それは恥ではない。」「間違えることは勉強の機会を得ること。」「いけないのは間違いから学ばないことだ。」と指導しています。
それでも安心できるようになるのは難しいようです。
忍耐力のなさは向上心のなさにもつながります。
無理に高望みするよりは、簡単に手に入るもので満足する。
受験などを見ても、そんな傾向が感じられます。
目標校合格を目指して頑張るというより、ランクを下げ今の力で入られればどこでもいいという生徒が多いです。
安全志向と言えば聞こえはいいですが、これも臆病でナイーブと言えるでしょう。
努力して実らなかったとき、自分が傷つくのが怖い。
このような考え方は、生徒と接すると随所に見受けられます。
問題はなぜ生徒たちがそうなるのかということです。
彼らの人生の中で培われてきたものなので、はっきりとこれが原因だとは言えません。
性格や環境、経験や人間関係などいろいろあるでしょうが、一つは大人が子供たちの模範となれないことでしょう。
変化が激しく不確定要素の多い時代には、これまでの方法が通用せず、誰もが明確な答えを見出せないでいます。
純粋に良いと思ってやっても報われないことがある。
正しいことを「正しい」と示しにくい世の中。
子は親の鏡とよく言います。
大人もよく分からず、不安という恐怖の中生きています。
だから、若者が将来に夢を見出せず臆病になるのも当然かもしれません。
つまり、今回の調査結果は、荒々しい変化の渦に翻弄されていく大人たちの心境を反映したものとも言えるのではないでしょうか。
2018.01.28
インフルエンザが大流行中です。特に受験生の皆さん、しっかり予防し、もしかかったら早めの対処をしてください。ここで病気になると大変です。葛西駅そば、個別指導塾葛西TKKアカデミーは生徒たちの健康管理も気を遣います。
今年は1999年以来、最も多くのインフルエンザ患者が発生しているようです。
その数も集を追うごとに増え、全国的な大流行になっています。
今年はB型のインフルエンザが流行っているみたいで、私の知人もB型にかかってしまいました。
学級閉鎖も起こっていて、当塾の生徒が通う学校でも学級閉鎖になったクラスがあるそうです。
先日、雪による怪我に注意するように述べました。
入試直前の怪我は受験生にとって大きな痛手になります。
最後の追い込みでいつも以上に勉強しなくてはならない時期に、勉強が十分できなくなりますから。
同様にインフルエンザにかかってまともに勉強できなくなるのも困ります。
本日はインフルエンザに対する予防と、かかったときの対処に関してお話いたします。
先ず、インフルエンザの予防についてお話します。
1.予防接種
予防接種は事前に抗体を体に作ることによって、インフルエンザにかかりにくい体質にすることができます。
しかし、そのワクチンは予想に基づき作られるわけで、その予想が外れたり全くの新型だった場合は効果がありません。
だから、予防接種を受けたからと安心してはいけません。
用心に越したことはありません。
だからと言って、ワクチンが役に立たないというわけではありません。
当然、受けないよりは受けた方がいいです。
特に大事な時期にある受験生はそうです。
2.日常生活での予防
インフルエンザの感染は飛沫感染と接触感染があります。
ウィルスが唾と共に席をするときに患者の体外に放出され、それが直接または間接的に鼻や口の粘膜から体内に入ることで感染します。
よって、予防の基本はマスクと手洗いです。
特に身内や友人、同僚など身近な人がかかった場合には、自分にも感染の可能性が高まるので気をつけましょう。
マスクはインフルエンザにかかった人が感染を広めないためだけでなく、まだかかっていない人もウィルスの侵入を防ぐために重宝です。
この時、マスクを正しくしていないといけません。
最近は立体マスクが普及しているので、形を整え、鼻と口が隠れるようにし、鼻の部分に隙間ができたり顎が出ていたりしないようにつけてください。
席などで一度体外に出たインフルエンザウィルスは、ティッシュや患者の手などに付着し、それを触れた手でドアノブなど他のものに触れると、そこにウィルスがついてしまいます。
そして、知らずに触り、その触った手で鼻や口を触ると感染してしまいます。
だから、ウィルスを拡散しないためにも、また間接的に感染しないために手洗いは重要です。
それもただ水に濡らせばいいわけではなく、こまめに入念に洗う必要があります。
手の甲や爪の間、指と指の間や手首までしっかり洗いましょう。
また、アルコールによる殺菌も有効です。
他にも、健康状態が悪いと免疫が十分に働かないので、常に十分な休息と栄養を取りましょう。
人ごみに出かけると感染の可能性が高まるので、必要なければ人ごみは避けましょう。
加湿器で喉や鼻の粘膜を潤わせることも予防に役立ちます。
3.インフルエンザにかかったら
少しでも怪しいなと思ったら無理せず病院に行きましょう。
特に高温の熱が出た場合は注意してください。
現在ではタミフルなど、インフルエンザに有効な薬がありますので、処方してもらいましょう。
急ぐときは点滴が効果的とも言われています。
無理して病院にいかないと、症状を悪化させるだけでなく感染をドンドン広めることにもなります。
早めの診察を心がけてください。
十分な睡眠を取り、しっかり栄養を取って体力をつけることが回復につながります。
熱が出ると汗をいっぱいかくので、こまめな水分補給をしてください。
本当に大切な時期です。
病気になってしまうと何もできません。
本人だけでなく家族や周りの人も注意して、受験生が万全の態勢で試験に臨めるようにしましょう。
もう少しです。
頑張ってください。
葛西TKKアカデミーが応援しています。
2018.01.25
私立高校や都立高校の推薦入試が始まります。推薦入試には必ず面接試験があります。今回は面接試験のポイントをお話します。葛西駅そば、個別指導塾葛西TKKアカデミーは一般入試だけでなく、推薦入試のための面接指導や小論文の指導も行っています。
新年になり、いよいよ都立高校の一般入試まで一ヶ月となりました。
その前に私立高校の推薦入試と一般入試、そして都立高校の推薦入試があります。
推薦入試はもちろんのこと、私立高校によっては一般入試でも面接を課すところもあります。
個別指導塾葛西TKKアカデミーもそのような受験生に対応した指導を行っています。
もちろん、中学校でも面接の指導で入退場の仕方など教えてもらっていると思います。
そこで今回は面接試験でより良い評価を得るための、私なりに考えるコツをいくつか紹介します。
1.中学生は元気が一番
大人の面接であれば、立ち振る舞い受け答えなど高度な技術が要求されますが、中学生の場合は面接官もそこまで求めていません。
それが十分できないことは承知しています。
それよりも、大きな声で元気にハキハキ答えるだけで印象はすごくよくなります。
小さな声でごにょごにょと答えると、自信がなく不安な印象を相手に与えます。
まずは元気が一番です。
2.動作にメリハリをつける
入退場のときなどに、だらだらしているとやはり印象がよくありません。
そうならないための注意点は、具体的に二つ。
一つ目は、一度に二つの動作をしない。
例えば、ドアを開ける時は開ける動作だけする。
礼をするときは礼の動作だけする。
ドアを開けながら礼をするといい加減な印象に映ります。
二つ目は動作にメリハリをつける。
メリハリとはどういうことか。
具体的には「止め」を作ることです。
一つ一つの動作に「止め」を作ると見栄えが良くなります。
例えば、教室に入るときはドアを開けて止め、一礼をして止め、体を起こして止め、一歩入って止め、回れ右をして止め、ドアを閉めて止め、また回れ右をして止め。
このように「止め」を作るとメリハリが出て、見栄えが良くなり、動作も機敏に見えます。
3.答える時は相手から視線を外さず、的確に簡潔に答える
答える時は相手を見て答えましょう。
目をそらすと失礼で自身がない印象になります。
目を見るのが苦手な人は、相手の額や鼻の頭、ネクタイなどに視線を合わせるといいでしょう。
そして余計なことを言わず、聞かれたことだけ答えましょう。
そうしないと、「質問が理解できない。」「考えをまとめる力が無い。」「何を言いたいのか分からない。」と思われます。
また緊張して言い間違えやどもりがあるかもしれませんが、落ち着いて慌てずに対処しましょう。
緊張しているのは開いても了承済みです。
大事なのは、混乱して頭の中が全て飛んでしまわないことです。
そのためにも想定問答を考えておくことは重要です。
4.事前練習は必ずしましょう
ぶっつけ本番は絶対にうまくいきません。
事前連取は必ずしましょう。
事前連取は単なるリハーサルではありません。
誰かに見てもらうことで自分の気づかない悪い癖に気づけます。
人から指摘されることで初めて気づき、気づくからこそ本番のときに注意できます。
頭の中でイメージトレーニングを繰り返しやることで、本番での緊張感も和らぎます。
5.マイナスの印象で終わらない工夫をしましょう
上手く答えられないとき、「分かりません。」と答えることも必要です。
また、質問に対してマイナスの答えを言わざるを得ないときもあるでしょう。
でも、そんな時、それで終わってしまうと、相手にマイナスの印象が残ってよくありません。
一言付け加えてプラスの印象にしましょう。
例えば分からないとき、「今はよく分かりませんが、この三年間の高校生活を通して答えられるようになります。」といえば向上心があるように思われます。
このようにプラスで積極性が出せる工夫をしましょう。
他にもいくつかありますが、とりあえず今日はこのくらいで。
面接は何も準備しないとうまくいきません。
安易に考えずに、一般入試を同じように万全の準備をしてください。
対辺ですが、もう一息です。
皆さんの成功をお祈りしております。
2018.01.25
国際比較とすると、日本の女子高校生は世界で唯一、生活満足度が男子より高いそうです。なぜでしょうか。葛西駅そば、個別指導塾葛西TKKアカデミーは生徒たちの生活を見つめ、彼らの心を捉えようと努めます。
面白い記事を発見したのでご紹介します。
『DAIAMOND online』に載っていたもので、生活満足度を分析し、特に高校生の満足度について考察したものです。
「日本の女子高生がやたらと楽しそうな理由」(DIAMOND online)
OECDの「PISA調査」が学力の国際比較に用いられることは有名で、そのテスト結果に政府は一喜一憂します。
しかし、PISA調査は単なる学力テストにとどまらず、その学力の原因となる生徒たちの生活状況や学習意欲など多岐にわたって調査しています。
記事はそのデータを使って、世界の中で日本の高校生の生活満足度がどうなのか調べ、その原因を考えています。
この記事では「生活満足度」と「生活満足度の男女差」に着目して、国際比較を行っています。
そこから導き出されたことは、その分布において文化圏ごとに見事にすみわけされているということでした。
日本は他の東アジアの国々同様に、全体としての生活満足度は低いが男女差は少ないエリアに位置していました。
この記事が注目したのは、程度の差はあれ、全ての国で男子の方が女子より満足度が高いにも関わらず、日本だけが唯一女子の方が男子より高校生の死活満足度が高かった点です。
これを掘り下げて次のようなことを考えています。
1.日本人の生活満足度が低い原因は儒教文化にある
成人であれば所得と幸福度に相関関係があるが、学生には両者の相関関係は低い。
ここから学生は幸福簡に関して所得の影響が少なく、これは親の庇護のもとにあり、所得状況から生活において切り離されているからである。
よって生活満足度に影響を与えるのはむしろ文化的要因である。
これは日本だけでなく儒教文化の強い東アジアの国々に見られる現象である。
儒教的考え方で人々の現実を見る目がネガティブになり、どんなに良い状況でもマイナス面を見つめ改善しようという傾向があるからである。
個人的価値観が高い欧米に比べ、常に社会的期待に答えなければならないというプレッシャーが生活満足度に影響を及ぼすと考えられる。
2.唯一日本の女子高校生が男子より生活満足度が高いのは、外観に対する脅迫概念が弱く、また儒教的束縛から男子と違い開放されているからである
男女間の満足度の差は欧米ほど大きくなっている。
その理由は、欧米の女子高生は自分の外観に対する自己批判が強く、これが女子の満足度を下げているために差が人がったと分析する。
アジアでは欧米ほどこの意識が強くなく、実際に体型も欧米とは違ってスリムなので、それほどストレスと感じていない。
更に日本の女性は全体的に生活満足度が大きく、ほとんどの調査で女性の方が幸福度が優位になっている。
この点が女性の満足度を更に上げている。
戦後の改革で男女平等が普及し、儒教的道徳観から女性が解放されていると考える。
ところが男性は家に対する責任などいまだに古い儒教感覚にとらわれており、その期待と責任から生活満足度が下がるとみられる。
以上の点から、日本の女子高生は男子より満足度が上がったと考えられる。
これが記事の内容で、非常に興味深く読ませていただきました。
確かにそのように考えられなくもないと思います。
しかし、気をつけなければならないのは、相互関係が見られたからと言って必ずしも因果関係があるとは限らないということです。
このような量的調査では特に気をつけなければなりません。
これを結論と思わず、むしろより詳細な研究の一歩としてとらえるべきでしょう。
少なくとも私の関わる女子高生を見る限り、確かに彼女たちは楽しそうです。
よく遊びに行き、人生を謳歌しているように見えます。
人生に対する不安がないわけではないのでしょうが、そんな先のことより今を楽しくことを重視しているように思えます。
そういう人生観や社会観が彼女らをお気楽な状態にしていると思います。
そして、そんな状況が許される社会になっているということでしょう。
何とかなると楽観的で、とにかく楽しむことを追求する。
これは大人が消費社会のターゲットとして女子高生を利用したことにもよると思います。
女子高生が楽しんで遊びや美容にお金をかけることを称賛する社会の反映でしょう。
また、これと同じ流れで女子高生のブランド化も挙げられると思います。
「JK」というのが一種のブランドとなり、女子高生であること自体が一つの価値として称賛され、うらやましがられる。
これにより女子高生自身が自分に、特別な存在としてのプライドを持っています。
だからJKであるだけで幸せなのです。
周りも同じJKで同じ価値観を共有し、仲間があることの安心感もあります。
だから、高校生になることを女子は非常に喜び、卒業することを非常に悲しみ残念がります。
「もう人生終わった。」と。
このことこそが女子高生の生活満足度を高めている理由と私は考えます。
これは記事のような量的調査では分からないことで、私のような質的調査によって垣間見られる部分です。
興味深いことに、男子高校生にはこのようなメンタリティーは働きません。
それは男子高校生はブランド化されていないからです。
「DK」という言葉がないのがその証拠です。
やはり消費させるのは女性の方がたやすいという企業のマーケティング戦略に合わないからでしょう。
男子高校生は社会的にたたえられることもないので、女子のような幸福感はないのでしょう。
塾をしながら生徒たちと触れ合うと、色々なことが分かります。
私は自分を学ぶ立場だと常々考えています。
本当に勉強になり、反省もたくさんします。
こうしながら自分を高めることができるので、生徒たちにはとても感謝しています。
これからも生徒たちに関わりながら、彼らを理解し学び続け、彼らと支えあいながら、共に成長したいと考えます。
2018.01.23
都心は大雪!入試の時期です。怪我に気をつけましょう。雪の日の歩き方を葛西TKKアカデミーがお教えします。
昨日から降り続けた雪で都内は雪景色です。
これから受験の生徒も多いと思いますが、ここで怪我をしては大変。
これまでの苦労が水の泡になるかもしれません。
今日、入試の高校もいくつかあるようです。
私立高校の推薦入試などが始まっていますし、私立の大学入試もこれから本格的になります。
当然、都立高校や国公立大学の入試の時も天候の心配はぬぐえません。
そんな万が一のために、雪の日の注意事項に触れたいと思います。
例え試験日でなくても、この時期に骨折など怪我をしてしまっては大変です。
特に雪が積もった道路を歩くときは気をつけないといけません。
雪に慣れていない人は特にどうしていいか分からないと思いますので、次のことを注意しましょう。
1.適切な服装で出かけましょう
服装は厚手の丈夫なものにしましょう。
防寒の意味もありますが、転んだ時のクッションとして怪我から身を守ってくれます。
滑りやすい靴やバランスの取りにくいハイヒールはやめましょう。
不格好でも長靴をはいた方がいいです。
また厚手の丈夫な手袋をして、転んだ時には手がつけるようにしましょう。
手袋が厚ければ、手をついた時の衝撃を吸収してくれます。
ポケットに手を突っ込んでいると、いざという時に対処できないのでやめましょう。
女性はスカートより動きやすいパンツをはいてください。
また、傘を持つと手がふさがれるので、できれば撥水性のレインコートを着た方がいいです。
2.歩き方に注視しましょう
普段と同じ歩き方をしては滑って転んでしまいます。
雪に慣れていれば違うかもしれませんが、多くの人はそうではないと思います。
よって次のような歩き方をしてください。
歩幅は小さくゆっくり歩きましょう。
大股で急ぐとバランスを崩しやすく危険です。
時間に余裕を持って慌てて歩かなくても済むようにしてください。
足を高く上げると転びやすくなります。
そして、足を下すときはまっすぐ上から降ろすようにしてください。
そうするとしっかり踏みしめられ、こけにくくなります。
体の重心を低くし、ややつま先にかけるといいです。
3.歩く場所に気をつけましょう
マンホールや道路の側溝の金属のふたなどは非常に滑りやすいので避けて歩きましょう。
後、タイルや横断歩道の白線も同様です。
また雪が一度溶けて凍ることもありますので、よく地面をみて滑りにくいところを選んで歩いてください。
歩道橋や階段も注意が必要です。
急がず一歩ずつ踏みしめながら上り下りしてください。
あれば手すりをしっかり持って歩きましょう。
転倒防止になります。
屋根に積もった雪が滑って落ちることもありますし、つららから水が滴ることもあります。
足元だけでなく頭上にも気をつけてください。
自動車の通る道路の横を歩くときも注意してください。
タイヤが雪に対応してなかったり、運転手が不慣れでうまく運転できなかったりして、車が滑ることもあります。
事故に巻き込まれないように、できるだけ離れて歩いてください。
日陰は雪が氷になっていますので、日が当たってと雪の溶けているところを選びましょう。
それから、屋内でも石の床だと濡れた靴底が滑るので、気を抜かないようにしてください。
また他に、試験日に大雪になったときは、天気予報で情報を集め、余裕を持って家を出てください。
電車やバスが遅れたり止まったりすることも考えられます。
場合によっては迂回ルートが取れるくらいの余裕を持ちましょう。
万が一間に合わないときは試験会場に速やかに連絡し指示に従ってください。
普通に歩くにも、不慣れな雪道は時間がかかってしまいます。
歩く時間も1.5倍くらいで計算しておきましょう。
当然寒いので風邪などひかないように防寒に気をつけてください。
濡れたり、かいた汗をそのままにしていると体温が下がってしまいますので、着替えやタオルも用意しましょう。
東京は雪に弱いと言われます。
この時期は本当に受験生にとって大事です。
細心の注意を払って、万全の態勢で試験に臨めるようにしてください。
葛西駅そば、個別指導塾葛西TKKアカデミーは皆さんを応援しております。
2018.01.21
大学センター試験の「ムーミン問題」が世間を騒がせています。でも本質は「ムーミン問題」そのものよりも、試験そのもののあり方です。葛西駅そば、個別指導塾葛西TKKアカデミーは生徒たちの学びを考えています。
大学センター試験が終わり、メディアではその中の「ムーミン」が出た問題が話題となっています。
これはセンター試験の地理Bの中で問われてもので、資料を使ってフィンランドに関する答えを見つける問題です。
世間でも評価は分かれ、受験生の中には「ムーミン」に対して恨み節を唱える人もいたようです。
学者や研究機関でも不適切ではないかと指摘が出たり、フィンランド大使館がコメント発表する事態にまで至っています。
不適切な問題と見なす人たちの言い分には次のようなものがあります。
1.ムーミンの物語は空想で実在する場所が舞台ではない(ムーミン谷が舞台)。
2.ムーミンの舞台がフィンランドと明言できる根拠がない(どこにもそのようなことは書かれていないし、フィンランドのような描写もあれば、明らかにそうではない描写もある)。
3.問題に出されているアニメが放送されたのは昔で、世代が違うのでよく知らない。
4.こんな問題を入試で解く意味があるのか(大学に入るのに必要な知識なのか)。
5.フィンランド語なんで知らない。
1,2は問題が間違っているので解答も全て無効(少なくとも試験問題として不適切)という意見。
3,4,5はそもそも何でこんな問題を出すのだ、入試問題として解けなければいけない問題なのかということでしょう(雑学クイズだ)。
日夜必死で勉強してきた受験生が問題を見て、「ふざけるな」と言いたくなる気持ちも分からなくもありません。
自分の人生をかけていると言っても過言ではなく、1点の差が合否に大きく関わるとすれば、このような解けない問題が出てきて憤慨するのもうなずけます。
一方、適切だ、むしろ良問だという人たちの声にはこのようなものがあります。
1.この問題はムーミンを知らなくても解ける。
2.知識詰め込み型の勉強では解けないかもしれないが、注意深く問題を読み解けば答えられる。
出された問題は解答可能なので不適切ではないという立場です。
文科省が目指す、基礎知識を覚えるだけの知識偏重の教育から脱し、その知識を使い答えのない問題に取り組める教育という点からもふさわしいと評価しています。
解答の導き方はこのようになります。
問題は、資料にあるアニメ作品の一方がフィンランドを舞台にしたものでもう一方がノルウェーを舞台にしたものである。
そのフィンランドの方を選ぶのだが、ムーミンはトロールというフィンランドの妖精であることを知っていればすぐにわかる。
また、その作者がフィンランド人であることも知っていれば、それでも解答は可能である。
「ムーミン」を知らなくても、もう一方のアニメ『小さなバイキング ビッケ』の「バイキング」という言葉から、こちらがバイキングのノルウェーと消去法で導き出すことができる。
「バイキング」は受験生にとって知っていてもおかしくない知識であり妥当である。
次に言語を選ぶ問題だが、これもフィンランド語を知らなくても解ける。
スウェーデン語が問題の中にあり、選択しのフィンランド語とノルウェー語からフィンランド語を選ぶわけだが、スウェーデン語とノルウェー語は同じ言語グループであることを知っていれば、似ている方をノルウェー語と判断できるので二択の判断はできる。
それを知らなくても一方の方には妖精の絵が描いてあり、もう一方にはトナカイが書いてあるのでこれをヒントに解答することも可能である。
個の妖精はトロールと呼ばれるフィンランドの妖精で、トナカイといえばサンタクロースなので、サンタクロースのいるノルウェーと分かる。
確かにこのように資料の細かい点に注目して推測すれば、解答はできるでしょう。
しかし、無理やりな感はぬぐえません。
特にイラストは知っていれば妖精と思えるでしょうが、必ずしもそう断言できるものではありません。
トナカイに関しても、トナカイはノルウェーだけにいる訳ではないですし、そこからサンタクロースにつなげなければならない必然性もありません。
類推で解答するのであれば、類推で他の解答を導き出したとしても間違いとは言い切れないでしょう。
例えば、試験が能力判断ではなく序列をつける手段と捉えれば、資料をそのままうのみにするのは「ひっかけ」という類推もできます。
文科省の基礎知識を使い答えのない問題を答える力を見るのであれば、結論に至るまでの過程が重要であり評価されるべきで、これは記述解答でないと分かりません。
そして、答えが違ったとしても、結論に至る過程に矛盾なく論理性があればよしをすべきではないでしょうか。
結局出題者の意図に従った思考で類推しなければならないのであれば、それは幅広い思考のチャンスを奪うものであり、結局「答えのある問題」に答えているだけです。
自分の意見を持てない、相手の顔色ばかりうかがい、忖度することばかりに長けた人間を評価することにもつながりかねません。
試験は誰もが納得のいく妥当性の高いものでないといけません。
これほどの批判が上がるというのは、やはり問題があったと考えます。
その問題の一つは、結局問題を通して何を判断したかったのかということでしょう。
最近のセンター試験ではアニメや漫画など、奇抜な問題が増えています。
それ自体は別にいいのですが、それが適切か、単なる受け狙いでないことを祈ります。
こんな論争を起こすまでムーミンを使わないといけなかったのでしょうか。
単純に文章で問うだけではいけなかったのでしょうか。
また、問題と解答形式があっていないということも考えられます。
先ほど述べたように、このような思考過程を重視するならば、選択問題にしない方がよかったと思います。
試行錯誤して導き出した答えと、館で適当に出した答えが同等に扱われるのは問題があるでしょう。
文科省が新たに提示した目標とそれに伴う教育改革の方針自体は特に悪くないと思います。
しかし、実践において、その方法にはまだ多くの課題があります。
今回の問題はそのいい例だと思います。
教育方針や思考の様式は変わりましたが、肝心の評価の方法が以前と大差ないのです。
そこにミスマッチが生じています。
知識を使って考えさせるには時間が必要です。
しかし、試験時間や問題量は変化ありません。
じっくり考えられる時間を与えないと、そのような技能は正確に測れないでしょう。
解答もマークシートでは、受験生が解答を導き出した過程が分かりません。
文科省が目指すものを適切に評価するならば、試験の形式を大きく変える必要があります。
例えば試験時間を一科目3時間や、一日くらい長くする。
そうしてじっくり受験生たちに考えさせる必要があります。
その思考過程を論理的に記述する解答にすべきです。
もちろん、解答の資料として必要なもの(ノートなど)の持ち込みも可とする。
なぜなら、大事なのは知識そのものではなく、知識を使って問題に取り組み自分なりの解答を導き出すことだから。
解答が一つしかないというクローズドクエスチョンではなく、自由に意見を言えるオープンクエスチョンにする。
評価も出題者の期待するものと違うからと単純に○×にはしない。
とするととても今のような短期の日程で、これほど多くの人が受けられる試験にはなりませんし、結果が出るまでの時間も非常に長くなるでしょう。
そもそもこのタイプの試験は序列をつけるには適していないので、試験そのものの考え方も変えなければなりません。
文科省の目指すものの評価と現行の入試体制の間に大きな乖離があるのです。
最近の入試問題で出題者が工夫していることは理解できます。
しかし、混乱が見られます。
今回の問題で、出題者自体も新しいタイプの問題作成に不慣れで、「今後の問題作成に当たってより一層の留意」が必要と大学入試センターも述べています。
気になるのは、大学入試センターはそうやって改善しより良い試験にすればいいのですが、その混乱の巻き添えとなった生徒たちの責任は誰が取るのかということです。
試験は出題者と解答者の会話です。
出題者が解答者に的確に問題を読み解き、その意図をくみ取って正確に期待する解答を求めるなら、出題者は解答者の解答も同様に正しく読み取り公正に評価する責任があります。
ただ生徒が泣き寝入りをするだけにはなってほしくありません。