塾長ブログ

2021.08.27

「学校連携観戦プログラム」に関して江戸川区を始め多くの区が観戦中止を決定しました。

「学校連携観戦プログラム」に関して江戸川区を始め多くの区が観戦中止を決定しました。

本日も東京では新型コロナウイルスに関して、4220人の新規感染者があったと発表しました。
20代が飛びぬけて多く、若者もこれまでのように新型コロナウイルスに対して楽観視できなくなってきました。
このように連日高水準で新規感染者が推移しています(噂によると、検査のキャパがいっぱいになったのでこれ以上数値は増えないとか、パラリンピックに向けて検査数を絞っているので数値は増えないとか)。
実際はこの何倍もの感染者が潜在的に存在しており、いつどこで誰が感染してもおかしくない、災害級の事態とも言われています。

このような中、東京都を始め首都圏の件の中には、東京オリンピックで実現できなかった「学校連携観戦プログラム」を実施しようという動きがあります。
知事の強い要請によるものだそうです。
彼らの主張によると「学校連携観戦プログラム」でパラリンピックを観戦することは教育的価値が大きく、多くの参加希望者もあるとのことです。

事前に実施されたアンケートでは7割の家庭が参加を希望したとか。
でも、ここには危険なミスリーディングがあると思います。
先ず、子供たちは感染のリスクがどのくらいか、感染した時はどのようなことになるのか、正確には情報を与えられていないので、単純に楽しいイベントだから(学校行事がまともに行われていないから余計に)と参加を希望したとも考えられます。
また、保護者も多くは悩んだ末に出した結論で、今でも揺らいでいる家庭が多いそうです。

ここまで強制するなら、感染予防だけでなく(多くは不十分だし、オリンピックの経験からすると始めから感染者が出ることはやむなしと主催者側は考えている)、万が一感染した時の保障(入院先の確保や将来後遺症が出たときの対応など)を明確にすべきなのに、それは示されない。
そんな状況で危険だと分かって我が子を送り出す親がどれほどいるのでしょうか。
教育的価値と生命健康のどちらを取るか。
そして、感染した子供が重症化、または感染した子供から家族全員が感染という事例は既に起きています。

普通であれば生徒を健康や命のリスクを背負ってまで実施しないでしょう。
だが、政府は完全にそのような考えはなく、なんとかして生徒を動員してパラリンピックの体裁を少しでもよくして、自分たちの箔をつけようという運営側の一方的な野心としか見えません。
これは自分たちがそのようなリスクに巻き込まれることがないという先入観があるからで、もし自分も感染リスクの当事者になると思えば、今、このような判断はできないと思います。
他人事だから好き放題にやる冷酷な運営には怒りすら感じます。

そんなこのような憤りを感じているときに、あるニュースが伝わり少し安堵しました。
江戸川区を始め多くの区が「学校連携観戦プログラム」の参加を取りやめたそうです。
多くの自治体が良識ある判断をしてくれたことにほっとしています。
関わる学校関係者もこの状況では自信を持って実施できないだろうし、何か起きたときはとても出ないけど責任は持てないでしょう。
ならば中止は至極当然であり妥当な結論だと思います。

それでも教育的価値を指摘するならば、パラリンピックを通じて人生の糧となる学習は、必ずしも現地での観戦だけではないと言いたい。
工夫次第でいかようにもできるし、それができないようでは教育のプロとは言えません。
現状に応じて今できる最大限の教育効果を出せばいいのです。
パラリンピックに目を奪われ心を奪われた人々には、そのような柔軟な発想ができないのでしょうか。
今は平時ではありません。
緊急事態です。
ならば子供たちを守りつつ、どうやって彼らに最高の学びを提供できるかを考えるべきです。
それが創意工夫であり教育者としての知恵です。

まだ中止を決めていない区、参加を表明している区が気がかりです。
そこに住む生徒たちの健康と生命、そして未来はきちんと守られるのでしょうか。
他の区が行ったように、良識に基づいた英断を期待しています。

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